9月15日上野信一打楽器ワークショップ皮膜楽器特集 持ち込み作品試演も

上野信一打楽器WS2

第1回に引き続き、第2回上野信一打楽器ワークショップを9月15日(日)、13時から国立音楽大学新1号館合唱スタジオで行います。

今回のテーマは皮膜楽器です。皮膜楽器と言ってもその数は膨大にありますが、その中からいくつかの楽器を実演を交えながら説明します。実演では、エリオット・カーター《4つのティンパニのための8つの小品集》、北爪道夫《サイドバイサイド》、ヤニス・クセナキス《ルボンB》、カールハインツ・シュトックハウゼン《チクルス》などの曲の一部分を取り上げて説明する予定です。皮の質や叩く場所、そして発音の違いによって大きく音色が異なることを実際に聴いて、そして叩いて確かめることは、作曲する上でも大いに役立つでしょう。

さらに松平頼曉現音名誉会員、湯浅譲二現音名誉会員によるお話もあります。

またコンサートに向けて打楽器作品を公募する予定です。途中まで書いた楽譜や素材など、当日音を出して確かめたいものがある方は事前に楽譜を送って下さい(送付先は問合せの事/電話:03-3446-350 e-mail 80th(a)jscm.net)。曲のコンセプトをまとめたものでも構いません。ワークショップの日に試演し、それについて作曲家、演奏家を交えて意見交換します。最終的に曲が仕上がる前の段階で様々なアドヴァイスを受けることにより、このワークショップが有意義な場となることを期待します。(制作:渡辺俊哉)

 

講師・演奏:上野信一

制作:湯浅譲二(作曲/日本現代音楽協会名誉会員)
松平頼曉(作曲/日本現代音楽協会名誉会員)
渡辺俊哉(作曲/日本現代音楽協会会員)

 

日時:2013年915日(土)13:00〜
会場:国立音楽大学新1号館合唱スタジオ(玉川上水駅より徒歩8分)
参加料:1,000円(学生は学生証、現音会員は会員証提示で500円)

 

主催:日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
▪お申し込み・お問合せ 電話 03-3446-3506 メール 80th(a)jscm.net

第30回現音作曲新人賞入選者発表

2013年7月27日(土)午後4時より日本現代音楽協会事務所に於いて、第30回現音作曲新人賞の二次審査が行われ、末吉保雄審査員長、名倉明子・藤井喬梓審査員による厳正な審査の結果、下記の4作品が新人賞候補作品に選ばれました。

11月6日(水)東京オペラシティリサイタルホールにて行われる「第30回現音作曲新人賞本選会」に於いて、演奏審査により新人賞受賞作を決定します(18:30開演予定)。賞金15万円。審査員特別賞「富樫賞」10万円。

 

■入選者(五十音順)

伊藤 巧真(Takuma ITO)
《ものろ・雲・のろぐ》(2013)[編成:Bariton, Tuba]
1987年生まれ。福島大学大学院人間発達文化研究科地域文化創造専攻芸術文化領域(作曲)修了。第17回東京国際室内楽作曲コンクール第2位。作曲を嶋津武仁氏に師事。

川崎 真由子(Mayuko KAWASAKI)
《ピアノ~小笠原鳥類の詩による〜》(2013)[編成:Soprano, Bass Clarinet]
1989年生まれ。国立音楽大学大学院作曲専攻在籍。奏楽堂日本歌曲コンクール第18回作曲部門一般の部第3位。作曲を菊池幸夫氏、音楽理論を山口博史氏に師事。

平野 一郎(Ichiro HIRANO)
《海の幸・天平の面影〜蒲原有明の詩に拠る、ソプラノとピアノの為の二連画》(2013)[編成:Soprano, Piano]
1974年生まれ。京都芸術大学大学院作曲専攻修了。ISCM世界音楽の日々2008ヴィリニュス大会入選。作曲を廣瀬量平、中村典子、北爪道夫、F.ドナトーニ各氏他に師事。

山下 祐加(Yuka YAMASHITA)
《ソプラノとピアノのための練習曲「五十音」》(2013)[編成:Soprano, Piano]
1987年生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。現在東京成徳短期大学非常勤講師、東京藝術大学教育研究助手。作曲を尾高惇忠、日野原秀彦の各氏に師事。

 

▼応募総数:28作品

▼一次審査(譜面審査)
日時:2013年7月18日(木)15:00
場所:日本現代音楽協会事務所
通過作:9作品

▼二次審査(一次審査通過作品の作曲者によるプレゼンテーション)
日時:2013年7月27日(土)16:00
場所:日本現代音楽協会事務所
通過作(入選作):4作品

第30回現音作曲新人賞一次審査(譜面審査)結果

2013年7月18日(木)午後3時より日本現代音楽協会事務所に於いて、第30回現音作曲新人賞の譜面審査を行い、下記の9作品が一次審査通過となりました。7月27日(土)一次審査通過作品の作曲者によるプレゼンテーションを二次審査として行います(非公開)。

 

▼一次審査通過者/作品名 ※表記は作曲者名の五十音順

伊藤 巧真/ものろ・雲・のろぐ
加藤 めぐみ/朝の光
川浦 義広/アクセス・ポイント
川崎 真由子/ピアノ〜小笠原鳥類の詩による〜
小泉 香/心伝図
朴 炳五/49
平野 一郎/海の幸・天平の面影
廣田 はる香/幻影〜中原中也の詩による
山下 祐加/練習曲「五十音」

〈現音・秋の音楽展2013〉サテライト公演出演者公募

70年代の冒険と現代の展開
GEN-ON Contemporary Music Day in KUNITACHI

 

〜現音・秋の音楽展2013サテライト公演〜出演希望者公募

 

【演奏会日時】2013年10月26日(土)18時開演
※当日14時以降に90分程の最終リハーサルを予定しております。

【演奏会場】国立音楽大学内(玉川上水)

【演奏曲目】坪能克裕作曲「オカリナのためのコンヴェンション」(1972)

【初回リハーサル】2013年8月3日(土)13時開始
東京音楽大学(池袋)A地下100教室にて

 

音楽の専門家でない方やオカリナの初心者でも参加できます。
10月26日の演奏会に出演を希望される方は、8月3日(土)13時より東京音楽大学にて開催されます「図形楽譜による音楽づくりワークショップ」(ワークショップ・リーダー:坪能克裕)に参加することが条件となります。このワークショップは、「オカリナのためのコンヴェンション」の初回リハーサルも兼ねるものです。
ワークショップ参加と演奏会出演を希望される方は、オカリナを持参することが望ましいですが、希望者には楽器を使用日のみ貸与することも可能です。

 

【参加料】8月3日にワークショップ参加費として3,000円預かりますが、10月26日の演奏会に出演されますと、一律の交通費と預り金全額を加えた額を演奏料としてお返しします。

【募集人数】先着30名

【問い合わせ・申し込み先】
日本現代音楽協会事務局
TEL:03-3446-3506(平日10:00〜17:00)FAX:03-3446-3507
E-mail:80th (a) jscm.net

深澤舞*ボストン便り(11)

西海岸のビーチ。違う国に来たようでした。

西海岸のビーチ。違う国に来たようでした。

季節の移り変わりが早いとは言え、昨秋に寄稿させて頂いて以来、すっかり時間が経ちすぎてしまいました。ボストン・マラソンのテロからも、早いものでもうすぐ2ヶ月。6月に入って、こちらも梅雨のように雨が降り続いています。街には緑が溢れ、平和への祈りとともに、また穏やかな時間が積もっています。

先月、西海岸を旅行してきました。ボストンからロサンゼルスまで飛行機で飛び、そこからキャンピングカーに乗りヨセミテ国立公園、セコイア国立公園、ラスベガスを経てグランドキャニオンと、アメリカの大自然を周る10日間― その中で、印象的な音たちとの出会いがありました。

セコイアの森。地球上で最も大きな生命体とされる80mの巨木群が聳えます。

セコイアの森。地球上で最も大きな生命体とされる80mの巨木群が聳えます。

ロサンゼルス近くの海辺を散歩していた夜、ドアを開け放した民家のテラスに数人集まり、思い思いに太鼓を叩いたり笛を吹いたり、それに合わせて鼻歌のように歌を口ずさんだり・・バークリー音楽院のウエストコースト・ジャズの授業でヒッピー音楽にも少し触れ、何とも言えない湿度を帯びた魅力を感じたのですが、この時も、西海岸独特の開放的な土地と気候、そこに刻まれてきた歴史と音たち、全てがこの歌とゆるやかに溶け合い、波打っていました。セコイア国立公園に聳える、樹齢2000年を越す巨木の穏やかな葉擦れの音、グランドキャニオンに昇る朝日を背に飛び立つ鳥たちの羽音、 デスバレーの砂漠地帯で暮らす家族が焚き火を囲んで歌う優しい旋律 、サンタモニカの潤いに満ちた夜の海風、それぞれの地で生まれ、奏でられ、歌われてきた音楽たち・・全てがあまりにも自然に揺蕩い、「音」と「音楽」との境界を滲ませ、なくしているように思われました。

20億年の地層の底を流れ続けるコロラド川。

20億年の地層の底を流れ続けるコロラド川。

ここに生まれ育っていたら、どんな音に包まれ、どんな音楽を書いていたのだろうと想像を巡らせながら、そして音と音楽の境が消滅する、その淵への出逢いを求めて、まだ見ぬ様々な地へ、そして自分自身のルーツと音の中へと、旅への楽しみが膨らみます。

最終日に寄ったハリウッド、フランク・シナトラの手形もありました!

最終日に寄ったハリウッド、フランク・シナトラの手形もありました!

最後に、友人に教えてもらった動画をご紹介させて頂きます。たまたま同じ地下鉄に乗り合わせた2人のサックス奏者による、車内で始まった即興演奏。ニューヨークの魅力が溢れます。こちら、ボストンは今年もタングルウッド音楽祭のシーズンが始まりました。この季節になると 、紫陽花に乗っていた雨粒を、友だちと弾いて遊んだ通学路を懐かしく思い出します。美しい季節を、どうぞお元気にお過ごしください。

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(2013.6.12. Mai Fukasawa)

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