現代音楽演奏コンクール“競楽X” お詫びと訂正

▼お詫びと訂正

「現代音楽演奏コンクール“競楽X”」第一次予選で配布したプログラムの演奏曲目に誤りがございました。お詫びするとともに、下記の通り訂正致します。

 

C2
(1) Pascal Dusapin (1) Etudes pour piano No.4 (1999)
(2) Henri Dutilleux (2) Trois preludes pour piano より III. Lejeu des contraires (1988)

 

C2
(1) 坂田直樹  (1) Hidden Colors (2007)
(2) Henri Dutilleux (2) Trois preludes pour piano より II. Sur un meme accord (1977)

 

※上記参加者の演奏曲目は、要項の規定を満たしています。

 

日本現代音楽協会

現代音楽演奏コンクール“競楽X”第二次予選審査結果

▼第二次予選通過者(入選者)

C2 安田 結衣子
E4 佐藤 祐介
F4 白井 奈緒美
G2 木埜下 大祐
G3 若林 かをり
J2 原田 真帆
L1 マクイーン時田 深山

※各審査委員採点内訳をコンクール会場に掲示して発表致しました。参加者(団体)は、自らの点数を電話(03-3446-3506/平日10:30〜17:00)にて問い合わせることが出来ます(12月10日まで)。メール、FAXでの問合せには応じられません。

第10回現代音楽演奏コンクール“競楽X”二次予選日程

公開審査/入場無料

 

▼二次予選
2012年11月24日(土)11:00開場/11:15開演
けやきホール(代々木上原)

グループ1 11:15頃~12:00頃(A1・H2・E3・D4)
グループ2 13:00頃~13:50頃(E1・J3・J2・K1)
グループ3 14:15頃~15:10頃(B5・E4・C2・B4)
グループ4 15:35頃~16:30頃(L1・G3・G2・F4)

全16組

※グループは楽器編成毎ではありません。
※参加者(団体)の演奏曲目は当日ホールロビーに掲示します。

 

ファイナリスト発表
17:30頃~18:30までホールロビーにて参加者(団体)名掲示発表(翌日ウェブ発表)

 

審査委員長:湯浅譲二(作曲・日本現代音楽協会理事)

審査委員
上野信一(打楽器)
小泉 浩(フルート・第2回朝日現代音楽賞受賞者)
佐藤紀雄(ギター・第5回朝日現代音楽賞受賞者)
高橋アキ(ピアノ)

日程
第1次予選 2012年11月19日(月)、20日(火)
第2次予選 2012年11月24日(土)
本   選 2012年12月9日(日)

2012年度富樫賞受賞の言葉〜佐原洸・平川加恵

【富樫賞】審査員が富樫賞にふさわしいと判断した作品に贈られる審査員奨励賞。2012年度、第29回現音作曲新人賞の「富樫賞」は、佐原洸さん・平川加恵さん(表記は50音順)の2名に贈られ、賞金10万円は分割授与となりました。

 

2012年度富樫賞受賞 佐原洸
《Hydrargentum》(2012)[編成:Fl, Cl, Vn]

まず最初に、審査員の先生方、演奏者の皆様方をはじめ、関係者の皆様方、お越しくださいました皆様方に心から感謝申し上げます。この度の本選会へ向けての日々は様々な観点から大変貴重な経験でした。

率直なところ、富樫賞受賞の言葉としてはこれ以上申すことがないのですが、それだけではあまりにも味気無いので、本選会を終えて考えていることの幾ばくかを以下に記したいと思います。

本選会は想定した通り、一貫性を保ちながらもそれぞれの個性が感じられる作品が並びました。私と近いもの、私に欠けているもの、私が捨ててきたもの…様々な要素が見え隠れする本選出場者の諸作品が自らにとって何らかの示唆を与えたことは言うまでもありません。そして、そのように多様な作品を聴いて、また、様々な方のご意見を伺って、自分はどういう音楽を作りたいのだろうか、それによって自分が果たすことのできる役割とは何だろうか、といったことを以前にも増して考えるようになりました。この意識の変化が、この度の私にとってもっとも大きな収穫のひとつであるといえるでしょう。

後者は抽象的な内容になるのでここでは触れませんが、前者は「強い音楽を作りたい」というある程度はっきりした言葉で表すことができます。それは、音楽を音楽せしめる何か:音の羅列を音楽だと人に思わせる、普遍的な何かを捉えた音楽のことで、それは私の中で作者性の発露であったり、個性の爆発という強さとは、対極とまではいかないまでも、異なる位置にあるものです。もちろん個性の類が物書きにとって非常に重要なものであることは言うまでもありませんし、作家にもっとも求められているものかもしれません。自分に欠けているものかもしれない。それらを認識した上でなお私が普遍的なものを求めるのは、そこに個性だけでは得ることのできない何かを感じるためであり、それを掴んだ状態から作曲というものを改めて見つめてみたいと願うためです。

抽象的な話になってしまいましたが、本選会終了後、このようなことを頭の片隅に置きつつ日常を過ごしています。次はこの理念を作品へと具体化しなければいけませんね。励みます。最後に、重ね重ねになりますが、この機会に携わっていただきましたすべての皆様に改めまして万謝申し上げます。

 

 

2012年度冨樫賞受賞 平川加恵
《3人の奏者のための組曲》(2012)[編成:Cl(B-Cl), Vn, Pf]

このたび、現音作曲新人賞本選会の舞台で応募作品を演奏していただけましたこと、大変光栄に思います。心より御礼申し上げます。

作曲を勉強する者にとって、書くこと自体はいつでもできますが、実際に音として、自分の実現したかったことが果たしてどこまで効果を得ているかを聴いて確認することのできる機会に恵まれることはなかなか容易ではないと思います。今回書いた作品に素晴らしい演奏者の皆様に命を吹き込んでいただけたということは、何よりの勉強の機会でありました。また、私にとって、思いを巡らせ、紡いできた音の数々と対面するという至福の時間を過ごさせていただきました。

今回この作品がこのような評価をいただき、今後のさらなる探求への意欲が高まったとともに、新鮮な発見に満ちた作曲活動をしていきたいと強く思いました。 また、自分が練り上げた音楽が音として再び生まれ、それが聴衆の皆様に伝わり、「聴衆賞」という大変光栄な結果をいただいたことはこの上ない喜びです。

この機会で得た課題、収穫、自信を活力に変え、益々精進していきたいと思います。

 

▼第29回現音作曲新人賞審査結果はこちら

第29回現音作曲新人賞受賞の言葉〜黒田崇宏

第29回現音作曲新人賞受賞 黒田崇宏
《我々は前へ進むことしか出来ない》(2012)[編成:A-Fl, Vn, Db]

この度、第29回現音作曲新人賞を頂きました黒田崇宏と申します。

東京オペラシティという素晴らしい場所で拙作が演奏される機会を与えて下さり、さらにこのような賞を与えて下さった審査員長の佐藤眞先生をはじめ、審査員の坪能克裕先生、福士則夫先生に深く感謝を申し上げます。とても貴重な経験となりました。

演奏者の多久潤一朗さん、甲斐史子さん、溝入敬三さん、そして急遽指揮を振って下さった松尾祐孝先生には大変お世話になりました。難曲にもかかわらず真摯に取り組んで下さったことにとても感謝しています。

素晴らしい演奏者の方々によって実際に音になり、自分の想像以上の効果があったことや新しい発見があったことは大変嬉しく思いました。しかし、それと同時に自分の音楽の問題点や未熟な部分も突きつけられました。現代音楽の一線で活躍されている多く作曲家の方々は技術だけではなく、それぞれ独自の音楽観、真なる個性を持っているからこそ評価を受けているのだと思います。そういった方々に少しでも近づけるよう、今回の結果に驕らずにより精進を重ねていきたいと思います。

最後になりましたが、今回の本選会の関係者の方々、そして聴きに来て頂いた皆様に心から御礼申し上げます。

 

▼第29回現音作曲新人賞審査結果はこちら