戦後に作曲された現代音楽作品の演奏を競う「第11回現代音楽演奏コンクール“競楽XI”本選会」(主催:日本現代音楽協会・朝日新聞社、審査委員長:中川俊郎)が2014年12月7日(日)13時より、東京都渋谷区のけやきホールに於いて行われ、東京都台東区の山澤慧さん(26)=チェロ=が優勝し、第24回朝日現代音楽賞(賞金50万円)を受賞した。
第2位は同台東区の松岡麻衣子さん(32)=ヴァイオリン=、3位は川崎市の本條秀慈郎さん(30)=三味線。審査委員特別奨励賞に東京都港区の川村恵里佳さん(23)=ピアノ=、聴衆の投票による聴衆賞には横浜市青葉区の望月豪さん(34)=マンドリン=が選ばれた。
表彰式は2015年1月26日(月)東京都内で行われる、日本現代音楽協会新年パーティの席上で行われる。
朝日現代音楽賞:その年の現代音楽演奏に優れた業績を示した演奏家または演奏団体に授与する。コンクールを開催する年はコンクール優勝者に、行わない年は日本現代音楽協会会員、会友、音楽関係者などによる推薦により決定。
「第24回朝日現代音楽賞」選考コンクール
第11回現代音楽演奏コンクール“競楽XI”
主催:日本現代音楽協会 朝日新聞社
審査委員:
中川 俊郎(作曲家・ピアニスト/審査委員長)
北爪 道夫(作曲家・東京音楽大学客員教授)
福井とも子(作曲家・大阪音楽大学講師)
福士 則夫(作曲家・桐朋学園大学特任教授)
安良岡章夫(作曲家・東京芸術大学音楽学部教授)
日程:
予選 2014年11月7日(金)8日(土)
本選 2014年12月7日(日)
全62組参加 ※ソロも1組と数える。
会場:
けやきホール(古賀政男音楽博物館内/東京都渋谷区上原)
■第1位・第24回朝日現代音楽賞(朝日新聞社より賞状と賞金50万円)
山澤 慧(やまざわ けい)チェロ(26歳、東京都出身、東京都台東区在住)
東京都町田市出身。東京芸術大学附属高校、同大学を経て、同大学院を修了。第10回ビバホールチェロコンクール第3位。第2回秋吉台音楽コンクールチェロ部門第1位。音川健二、藤沢俊樹、河野文昭、西谷牧人、鈴木秀美、山崎伸子の各氏に師事。
チェロアンサンブルXTC、Tokyo Ensemnable Factory、アンサンブル室町、音楽集団“渦々”メンバー。芸大フィルハーモニア首席チェロ奏者。
本選演奏曲:
Bernd Alois ZIMMERMANN/Sonate für cello solo(1960)
松岡 麻衣子(まつおか まいこ)ヴァイオリン(32歳、東京都台東区在住)
桐朋女子高等学校音楽科を経て同大学音楽学部演奏学科卒業、同大学研究科修了。2008年に渡独、インターナショナル・アンサンブル・モデルン・アカデミー(フランクフルト音楽・舞台芸術大学)にて現代音楽作品演奏の研鑽を積む。これまでにトリオ・シュトイアーマン、アンサンブル・リネアのメンバーとして活動する他、アンサンブル・モデルン、アンサンブル・レゾナンツ等でも演奏する。江藤俊哉、江藤アンジェラ、小林健次、ジャグディッシュ・ミストリーの各氏に師事。
本選演奏曲:
Jörg WIDMANN/Étude III for Violin solo(2002)
湯浅 譲二/マイ・ブルー・スカイ第3番 独奏ヴァイオリンのための(1977)
本條秀慈郎(ほんじょう ひでじろう)三味線(30歳、神奈川県川崎市在住)
本條秀太郎師に師事し本條秀慈郎の名を許される。桐朋学園大学短期大学部卒。故杵屋勝芳壽師に師事。現代邦楽研究所修了。東京邦楽コンクール第1位。日本現代音楽協会主催「コンチェルトの夕べ」にて山下一史指揮でオーケストラと共演。TWS主催「一柳慧プロデュース公演」にてAvanti!(フィンランド)と共演。第1回リサイタルのライナーノーツに演出家 蜷川幸雄氏より「繊細で、時に強く烈しいその演奏は深い感動を呼び起こす。」と執筆される。以後4回のリサイタルを開催し客演に野坂操壽、佐藤紀雄各氏。桐朋学園芸術短期大学非常勤講師。
本選演奏曲:
権代敦彦/Triskelion 三味線のための op.141(2014)
北爪道夫/螺旋 —三絃のための—(1987)
■審査委員特別奨励賞(賞状と一般社団法人日本音楽著作権協会より表彰楯授与)
川村 恵里佳(かわむら えりか)ピアノ(23歳、東京都港区在住)
1991年神奈川県生まれ。東京音楽大学音楽学部器楽専攻(ピアノ演奏家コース)卒業。在学中、学内オーディション合格者によるソロ・室内楽定期演奏会において室内楽部門に出演、及び、作曲部門にて自作曲を発表。現在、同大学院音楽研究科修士課程鍵盤楽器研究領域(伴奏)に在籍し、ピアノ及び作曲を土田英介氏に師事。またピアノを播本枝末子、石井克典、山洞智の各氏に師事。
本選演奏曲:
武満 徹/雨の樹 素描(1982)
武満 徹/雨の樹 素描II —オリヴィエ・メシアンの追憶に—(1992)
Elliott CARTER/Two thoughts about the piano
1. Intermittences(2005)
2. Caténaires(2006)
■入選(本選演奏順)
若林 かをり(わかばやし かをり)フルート/ピッコロ(34歳、滋賀県草津市在住)
本選演奏曲:
Salvatore SCIARRINO/Canzona Di Ringraziamento(1984)Fl.
細川 俊夫/垂直の歌(1995)Fl.
James DILLON/Diffraction(1984)Picc.
田中 翔一朗(たなか しょういちろう)ピアノ(24歳、茨城県牛久市在住)
本選演奏曲:
Karlheinz STOCKHAUSEN/Klavierstück V Nr.4(1954)
Luciano BERIO/Sequenza IV for piano(1965)
Karlheinz STOCKHAUSEN/Klavierstück VIII Nr.4(1954)
古川 玄一郎(ふるかわ げんいちろう)打楽器(34歳、神奈川県川崎市在住)
本選演奏曲:
福士 則夫/ソロ・パーカッションのためのグラウンド(1976)
■聴衆賞(本選会にご来場のお客様による投票の最多得票者へ贈られます)
望月 豪(もちづき ごう)マンドリン(34歳、神奈川県横浜市青葉区在住)
本選演奏曲:
田口 和行/Ice Trick(2014)
近藤 譲/早春に(1993)
川上 統/Black Ghost(2014)