〈現代の音楽展2015〉第3夜「平田英治サクソフォンリサイタル〜Focus on saxophone!」2月22日(日)ドルチェ楽器大阪 アーティストサロンで開催

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〈現代の音楽展2015—演奏家と創造の現在〉第3夜
平田英治サクソフォンリサイタル〜Focus on saxophone!
制作:南川 弥生

2015年222日(日)15:30開場/16:00開演|ドルチェ楽器大阪 アーティストサロン

 

田口 雅英
テナーサキソフォンの為の「黒い慟哭」
作曲2014年/初演

諸橋 玲子
Wind  for alto saxophone
作曲2014年/初演

近藤 浩平
海辺の祈り~震災と原子炉の犠牲者への追悼 作品121
(サクソフォンの為のヴァージョン)
作曲2014年/初演(日本現代音楽協会会員募集作品)

南川 弥生
瓢〜2本のサクソフォンのための〜
作曲2014年/初演

—休憩—

中村 典子
聲愈
作曲2014年/初演

大慈弥 恵麻
Nasobema 1
作曲2012年/改訂2014年/改訂初演

宇野 文夫
即興曲 サックスとピアノのための
作曲2014年/初演

※演奏順は変更となる場合があります。

 

演奏:平田 英治(サクソフォン) 篠原 康浩(サクソフォン) 厚地 えり奈(ピアノ)

 

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■チケット(全自由席)
一般 2,000円
学生 1,000円
※未就学児はご入場になれません。

日本現代音楽協会
[電話受付]10:00-17:00
03-3446-3506
[メール受付]
gendai2015(a)jscm.net

 

【主催】日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
【助成】公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション
【後援】一般社団法人日本作曲家協議会 大阪音楽大学 NPO法人国際音楽協会 公益財団法人神戸市民文化振興財団

 

平田 英治  Eiji HIRATA, saxophone
大阪音楽大学卒業。赤松二郎氏に師事。フランス国立ボルドー音楽院に留学しJ・M・ロンデックス氏に師事、金メダルを得て卒業。ワールド・サクソフォン・コングレス(ニュルンベルグ、神奈川)に出演。帰国後は現代音楽を中心にリサイタル、アンサンブル活動の他、国内外の作曲家の新作初演を多数行う。元大フィルフルート奏者高橋成典氏と「フルートとサックス展」を開催、国際的フルート奏者、カミラ・ホイテンガ氏と全作新作初演の演奏会「第3回フルートとサックス展」で共演。「平田英治サクソフォン・アンサンブル」を主宰し、各地で演奏活動を展開している。関西室内楽協会、日本演奏連盟会員他。NPO法人国際音楽協会理事。第9回中国音楽コンクール合奏部門で中国民族楽器、西洋楽器アンサンブル「アンサンブル紫楽坊」のメンバーとして金賞、兵庫県知事賞受賞。

 

 

▼現代の音楽展2015 日程

2/3(火)19:00
世界に開く窓 百留敬雄ヴァイオリンリサイタル
東京オペラシティリサイタルホール

2/15(日)18:00
西川竜太の啓く現代合唱の世界〜第21回朝日現代音楽賞受賞記念演奏会
浜離宮朝日ホール 音楽ホール

3/10(火)19:00
上野信一&フォニックス・レフレクション演奏会
渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホール

〈現代の音楽展2015〉第4夜「上野信一&フォニックス・レフレクション演奏会」3月10日(火)渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホールで開催

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〈現代の音楽展2015—演奏家と創造の現在〉第4夜
上野信一&フォニックス・レフレクション奏会
制作:佐藤 昌弘

2015年310日(火)18:30開場/19:00開演|渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホール

 

倉内 直子
解放—4人の打楽器奏者のための
作曲2014年/初演

佐藤 昌弘
Nocturne pour Clarinette et Vibraphone
作曲2015年/初演

松尾 祐孝
PHONO no.10 – a Rhapsody for Percussion solo <π>
作曲2011年

森田 泰之進
たうないさい
作曲2015年/初演

郭元
“Mists” for 6 Percussion Players
作曲2012年/日本初演

楊暁忠
“Cloud Cluster” for 5 Percussion Players
作曲2012年/日本初

※演奏順は変更となる場合があります。

演奏:上野 信一(打楽器)

フォニックス・レフレクション
荻原 松美・小俣 由美子・峯崎 圭輔・新野 将之・悪原 至・大場 俊(打楽器)

板倉 康明(クラリネット)

 

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■チケット(全自由席)
一般 3,000円
学生 1,000円
※学生券は日本現代音楽協会のみの取り扱いとなります。
※未就学児はご入場になれません。

東京文化会館チケットサービス
[電話受付]10:00-19:00
03-5685-0650
[インターネット受付]
http://www.t-bunka.jp/ticket/

日本現代音楽協会
[電話受付]10:00-17:00
03-3446-3506
[メール受付]
gendai2015(a)jscm.net

 

【主催】日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
【助成】公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション
【協賛】株式会社ヤマハミュージックジャパン 株式会社ヤマハミュージックリテイリング銀座店 株式会社コマキ楽器
【後援】一般社団法人日本作曲家協議会

 

上野信一&フォニックス・レフレクション  Shiniti Uéno & PHONIX-Réflexion, percussion
マルチ・パーカッショニスト上野信一が国内外で広く活躍するソリストたちと1988年に結成したパーカッション・グループ。ほぼ毎年コンサートを行ない、最近では2009年には全作品西村朗作曲作品によるコンサート「西村朗 パーカッションの宇宙」、安倍圭子との共演、2010年には全曲ネボイシャ・ジヴコビッチ作曲によるコンサート「打楽器魂」、2011年にはジヴコビッチ本人をゲストに迎えた「打楽器魂2011」を行なった。2013年には西村朗のオペラ「バカヴァッド・ギーター」をサントリーホールにて世界初演。2013年、クロアチア国際打楽器フェスティヴバルに出演。2014年、ルーマニア・ブカレスト、で開催されたルーマニア国際打楽器フェスティバルに出演し、その模様はルーマニア・ラジオ放送協会から国際配信され、絶賛される。等、国際的に活動を拡大している。彼らのCDは『ウィッシュ』『ケチャ』『ヤントラ・西村朗パーカッションの宇宙』『打楽器魂・N.J.ジヴコヴィッチ作品集』が、<ムジカ・ヴィバンテ>からリリースされている。また、「Phonix Marimba Orchestra」を<ALM>レコードで収録、発売を予定している。

 

 

▼現代の音楽展2015 日程

2/3(火)19:00
世界に開く窓 百留敬雄ヴァイオリンリサイタル
東京オペラシティリサイタルホール

2/15(日)18:00
西川竜太の啓く現代合唱の世界〜第21回朝日現代音楽賞受賞記念演奏会
浜離宮朝日ホール 音楽ホール

2/22(日)16:00
平田英治サクソフォンリサイタル〜Focus on saxophone!
ドルチェ楽器大阪 アーティストサロン

“競楽XI”聴衆賞受賞の言葉〜望月豪(マンドリン)

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“競楽XI”聴衆賞受賞

望月 豪(マンドリン)

今回、初めての「現代音楽演奏コンクール“競楽”」への参加でしたが、得るものはとても多く、参加して良かったと心から感じています。本選にて、他の素晴らしいファイナリストの方々の演奏を(楽屋や舞台袖、客席にて)聴きながらそこの一員となれたことをとても光栄に思いました。さらには「聴衆賞」というお土産までいただいて感謝の気持ちでいっぱいです。

マンドリンという楽器はクラシック音楽の中でも言ってしまえばマイナーな楽器であり、楽曲の数も限られています。全体数もさることながら、今回出演されていた多くの楽器と比べても、名曲と呼ばれるような作品は歴史の中で数えるほどです。それがマンドリンの置かれていた過去の事実であり、今でもマンドリンが現代音楽を含むクラシック音楽の中に登場する機会は非常に限られています。

数年前、マンドリンのコンクール(大阪国際マンドリンコンクール)において1位を受賞した際に、私が自分に定めた次の目標はその状況を変えていくことでした。内輪に向きがちなマンドリンの業界を外に開いていく、外に繋いでいく、それを自分の使命と思って演奏活動をしていこうと決めました。

現代音楽に本格的に取り組み始めたのはそれからでした。「きっとマンドリンに素敵な曲を書いてくれる」そう思わせて下さる作曲家の方々への委嘱を始め、気付けば関わった委嘱や初演の数は50になろうとしています。もちろん、再演にも積極的に取り組んできました。

楽器の歴史を辿っていくと、ある時代にその楽器の為の楽曲が大量に書かれ、そこから数々の名作が生まれている、ということを聞いたことがあります。その背景には優れた作曲家の存在があるのはもちろんですが、同時に熱心な奏者や指導者がいるという事実があります。私はマンドリンにとって、今がその時だと思っています。そしてそこに微力ながらも自分も貢献出来たらと願っています。そういった意味で今回のこの「競楽XI」への参加はある意味で自然の決断であり、ここで色々な方々にマンドリンを知っていただけたことは私にとってとても大きな意味を持つことでした。これはあくまで通過点、もしくは一つの転機であることを意識して、今後も作曲家や他の楽器の奏者の方々との縁を大事にしながら未来に繋げていければと思います。10年経って、クラシックの演奏会にマンドリンがもっと頻繁に、自然に使われる時代が来るよう願ってこれからも活動を続けていきます。

最後にこの場をお借りして、投票して下さった皆様、競楽関係者の皆様、これまでお世話になりました皆様に心より御礼申し上げます。特に、この競楽の為に素敵な楽曲を下さった川上統さん、田口和行さん、お二人の力なくしてはありえなかった結果だと思っております。また、これまで様々な現代曲を一緒に演奏してきたマンドリンオーケストラ「リベルテ」のメンバー、そして指揮者・ピアニストとして長年サポート下さっている鷹羽弘晃さんに心より感謝の意を表します。

 

▼望月 豪(もちづき ごう)
2009年、第5回大阪国際マンドリンコンクール(マンドリン独奏部門)にて、日本人として初の第1位受賞の他、マンドリン演奏・指揮において複数の入賞経験を持つ。これまでにリサイタルを東京/大阪/パリにて開催、20を超える演奏会での協奏曲のソリストを務め、管弦楽での賛助出演や、多くの新作初演にも携わる。CDは自身が指揮・独奏を務めた「協奏曲集 四季」や「Tzigane 望月豪マンドリンリサイタル」等。片岡道子、越智敬、池谷淳子氏に師事。

“競楽XI”審査委員特別奨励賞受賞の言葉〜川村恵里佳(ピアノ)

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“競楽XI”審査委員特別奨励賞受賞

川村 恵里佳(ピアノ)

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審査委員特別奨励賞の発表を受ける川村恵里佳さん(中央)

この度は「第11回現代音楽演奏コンクール“競楽XI”」本選にて審査委員特別奨励賞を頂き、大変光栄に思っております。この歴史あるコンクールの本選の舞台で、素晴らしいファイナリストの方々と共に演奏出来たということ自体が、今の私にとっては信じられないくらいの幸運でした。その上、まさかこのような賞まで頂けるとは思っておらず、発表を聞いたときは驚きのあまり少し固まりましたが、実感が湧いてくるにつれ嬉しさがこみ上げてきました。

正直に申し上げますと私はコンクールという場が少々苦手で、中学生の頃以来ひとつも受けていませんでした。しかしこの“競楽”は通常のコンクールとは全く異なり「1945年以降の作品であれば楽器・編成自由のセルフプロデュースコンクール」というスタイルのもので、とにかく「面白そう!」という好奇心から挑戦を考え始めました。予選では12分、本選では20分の時間を自由に使うことが出来るので、何を弾こうか夏の間ずっと考えましたが、最終的には、リスクを恐れずに、今の自分が心から表現したいと思う楽曲—最も興味を持っている作曲家のひとりであるエリオット・カーターの作品2曲と、心から敬愛する武満徹の名作《雨の樹 素描》シリーズ2曲を演奏することとしました。

カーターは非常に長い年代に渡って作品を残し続けた作曲家で、予選で演奏したソナタは1945-46年作曲、本選で演奏した《ピアノについての2つの考察》は2005-06年作曲と、その作曲年代には60年もの開きがあります。それぞれ、作曲された時代の世相を映し出している面もあれば、時を経ても変わらない作曲家の確固たる個性もあり、両方を演奏することで見えてくるものがあるのではないかという考えから選曲しました。武満徹の《雨の樹 素描》シリーズは、現代のピアノ作品の中でも演奏される機会が多く、よく知られている作品だけにリスキーな選曲かと思いましたが、それでもこの曲の奇跡的なほどの美しさと深さに魅了され、どうしても弾きたいという気持ちを抑えることができませんでした。

しかし、予選・本選とも自分にとって音楽的にも技術的にも高いハードルのある選曲だったので、準備の段階でも本番でも極限までの集中が要求され、なかなか大変でした。2回の本番では、たとえ完璧に弾けなくとも、舞台上で自分自身の率直な言葉で何かを言ってこようと演奏前に決意して臨みました。まだまだ未熟な面の多い演奏にはなってしまいましたが、それでも今の自分なりの音楽を出し切ることは出来たのではないかと感じました。その結果、審査委員特別奨励賞という評価を頂けたことを、心から嬉しく思います。

予選、本選ともに自分が弾き終わったあとは他の参加者の方々の演奏を聴かせて頂き、一聴衆として存分に楽しむとともに、勉強させて頂くことが本当に多くありました。今回の自分の経験と、他の素晴らしい演奏者の方々から受けた刺激を糧に、これからも音楽家として成長出来ますよう精進していきたいと思います。最後に、このコンクールに際してお世話になった沢山の方々—審査委員の先生方やスタッフの皆様、聴衆の皆様、支えて下さった先生や家族、友人達に心からの感謝を申し上げます。

 

▼川村 恵里佳(かわむら えりか)
1991年神奈川県生まれ。東京音楽大学音楽学部器楽専攻(ピアノ演奏家コース)卒業。在学中、学内オーディション合格者によるソロ・室内楽定期演奏会において室内楽部門に出演、及び、作曲部門にて自作曲を発表。現在、同大学院音楽研究科修士課程鍵盤楽器研究領域(伴奏)に在籍し、ピアノ及び作曲を土田英介氏に師事。またピアノを播本枝末子、石井克典、山洞智の各氏に師事。

第24回朝日現代音楽賞受賞の言葉〜山澤慧(チェロ)

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第24回朝日現代音楽賞受賞

山澤 慧(チェロ)

この度「第11回現代音楽演奏コンクール“競楽XI”」第1位、ならびに第24回朝日現代音楽賞を受賞することとなり、大変嬉しく思っております。

「競楽」には学生の頃から強い憧れを持っておりました。このコンクールが魅力的である理由の一つは、異種格闘技大会のようなコンクールだからだと思います。国籍や年齢は不問、またあらゆる楽器が参加可能であり、編成も独奏〜六重奏と幅広く選択できます。

課題曲のルールは「1945年以降に作曲された作品を演奏すること」「予選もしくは本選に日本人作品を加えること」の二つです。コンクール応募の際、このルールの中で自分にふさわしいプログラムは何だろうか、という事を考えました。まず予選では何回か演奏した経験もあり、チェロの様々な演奏技法を見せる事ができるマグヌス・リンドベルイ作曲の《ストローク》と、西村朗さんが一昨年作曲された《チェロのためのオード》を演奏することに決めました。《オード》はチェロを存分に歌わせることができる曲だと思い選曲しました。

本選では最も好きな作品の一つであるベルント・アロイス・ツィンマーマンの《無伴奏チェロソナタ》を演奏する事に決めました。ただ、この曲は1960年に書かれた作品で、「現代」音楽演奏コンクールで弾くにはやや古典的すぎるのではないかという不安がありました。そこで、もう少し新しい作品を加えようか迷ったのですが、《無伴奏チェロソナタ》の無から始まり無に終わるような世界観を壊したくないと思い、この1曲のみで勝負することに決めました。結果的にその選曲は間違っていなかったと思います。

自分が演奏会に臨む時、練習段階では一音一音の意味や音の向かうべき方向を考えます。一方、本番では考えすぎずなるべく音楽の自然な流れに任せたいと思っています。ただ、それは今の自分には難しいことでもあります。今回の予選ではまだ余裕もあり、割と自由に弾くことができたのですが、本選では身体も意識も硬くなってしまい音楽の自然な流れをつくれなかったように感じています。そんな中でもなんとか音のもつ意味を表現しようとした、その姿勢を評価してもらえたのではないかと思います。

皆さんが現代音楽を聴くとき、もしかしたらクラシック音楽を聴くときとは違う聴き方をされるかもしれません。ただ、僕自身が演奏するときはその曲がクラシック音楽であっても、現代音楽であっても同じ目標をもって臨んでいます。それは説得力のある演奏をすることです。そのためには楽譜に書かれた音符の意味を追求することが大事だと思っています。課題はまだまだ多くありますが、今回の受賞を励みにこれからも精進したいと思います。

最後に、審査委員の先生方はじめ関係者の皆様、ご指導して下さった先生方、今日まで支えて下さった皆様に感謝申し上げます。

 

▼山澤 慧(やまざわ けい)
東京都町田市出身。東京芸術大学附属高校、同大学を経て、同大学院を修了。第10回ビバホールチェロコンクール第3位。第2回秋吉台音楽コンクールチェロ部門第1位。音川健二、藤沢俊樹、河野文昭、西谷牧人、鈴木秀美、山崎伸子の各氏に師事。チェロアンサンブルXTC、Tokyo Ensemnable Factory、アンサンブル室町、音楽集団”渦々”メンバー。芸大フィルハーモニア首席チェロ奏者。