卑弥呼とホームズのヴァイオリン事件簿〜第6回「無伴奏の署名」原田真帆

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こんにちは、ヴァイオリン弾きの原田真帆です。
『卑弥呼とホームズのヴァイオリン事件簿』第6回、大英博物館から連れてきたエジプトの猫のぬいぐるみと見つめ合いながらタイピングをしている卑弥呼がお送りいたします。卑弥呼ことヴァイオリン弾きの原田真帆です。

 

今回は「事件簿」というタイトルに似つかわしい内容を書いてみたいと思います。わたしなんぞが語るのはおこがましいのですが、今回はヴァイオリンという楽器がひとりでどこまでできるのかということを考えたいのです。

 

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松平頼曉によるレクチャー「リゲティ《Aventures》《Nouvelles Aventures》考察」11月27日(日)18:30より開催!

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1127日日18:30開演(受付:18:15)
会場:きゅりあん 4階 第2特別講習室 JR京浜東北線・東急大井町線・りんかい線、大井町駅 徒歩約1分

料金:1,000円(右記日本現代音楽協会に要予約)

講師:松平頼曉(日本現代音楽協会理事)

 

この2曲にはリゲティの特徴であった巨大なクラスターは殆ど現れない。12音音列のような音列が、クラスターの本質であるアモルフ(無定形態)に接近して使われている。ここに現れる音列や半音階、バルトーク作品からの引用、2曲の関係性など、日本現代音楽協会『NEW COMPOSER』Vol.12とVol.13に載せた、これらの分析に沿って、話を進めたい。

※『NEW COMPOSER Vol.12』をお持ちの方はご持参ください。当日会場で販売も行います。

 

電話で参加予約 ⇒ 03-3446-3506

E-mailで参加予約 ⇒ gen-on1930(a)jscm.net

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競楽XII本選出場者紹介〜安曽絢香(ピアノ)

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▼本選演奏曲
Gyorgy LIGETI/ピアノ練習曲集 第1巻(1985)より
2. Cordes a vide / 3. Touches bloquees / 4. Fanfares / 5. Arc-en-ciel
Gyorgy LIGETI/ピアノ練習曲集 第2巻(1988-94)より
8. Fern / 13. L’escalier du diable

 

「現代音楽」と聞くと、へんなもの、妙なもの、と感じられることが多いかもしれません。

実際、間違ってもわからない、ぐちゃぐちゃと言われる事が多いのも確かです。ですが、そこに美しい音、音楽、その楽器、その楽曲のもつ素敵な音、魅力がたくさん詰まっていると感じています。そこに時代やジャンルの垣根はないと思っています。

私はこの音の響きがとってもステキ、この音の動きが大好き、と思いながら演奏しています。書いてある音の1つ1つに常に真摯に向き合い、演奏できればと思っています。

本選ではリゲティのエチュードより取り上げますが、音が運ぶ多様な美しさをピアノの声を借りて表現できればと思います。その魅力が存分に伝わりますように。

◎プロフィール

国立音楽大学附属音楽高等学校、大学を経て、同大学院修士課程修了。大学院においては、リゲティを中心に研究を行う。ピアノを長谷川香織、進藤桃子、堀田万友美、近藤伸子、恩田明香、御木本澄子の各氏に、室内楽を今井顕、三木香代の各氏に師事。ダン・タイ・ソン、ミシェル・ベロフ、トーマス・ヘルの各氏等、多くの公開レッスンを受講。現在、ソロを中心に、双子デュオ、室内楽等の演奏活動を行うと共に、後進の指導にもあたっている。

 

▼予選演奏曲
福士則夫/とぎれた記憶(2000)

競楽XII本選出場者紹介〜鈴木友裕(ピアノ)

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▼本選演奏曲
Pierre BOULEZ/Incises pour piano(version 2001)
Olivier MESSIAEN/Catalogue d’oiseaux I(1956-58)より
1. Le chocard des alpes

 

この度は本選にて演奏する機会を頂き、大変嬉しく思っています。

私が現代音楽を演奏することに興味を持ち始めたのは、作曲の勉強を始めてからでした。演奏と作曲、この2つは時代が進むにつれて別々の人物が行うようになりましたが、現代音楽のシーンにおいては特に結び付きの強い行為だと言わざるを得ません。

今回、本選で演奏させて頂くのはブーレーズとメシアンの代表作です。直接会って話をすることが既に不可能になってしまった作曲家の作品ですが、両者共に優れた音楽教育者であったというだけあって、作品の核心に迫るための手がかりは今でも多く残されているように感じます。背景も内容も全く異なる2曲ですが、それぞれの魅力を自分なりに表現できればと思います。

◎プロフィール

1995年、神奈川県生まれ。10歳よりピアノ、18歳より作曲を始める。桐朋学園大学附属子供のための音楽教室を経て、桐朋学園大学ピアノ科に入学。2年次に作曲科に転科。学内成績優秀者によるStudents’ Concertに出演。高橋アキ、Ueli Wiget各氏の公開レッスンを受講。現在、桐朋学園大学3年在学中。作曲を金子仁美、ピアノを廻由美子の各氏に師事。

 

▼予選演奏曲
Gyorgy LIGETI/ピアノ練習曲集第1巻(1985)より
6. Automne a Varsovie
Pierre BOULEZ/ピアノのための即興曲(1957)

競楽XII本選出場者紹介〜林賢黙(ピアノ)

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▼本選演奏曲
湯浅譲二/内触覚的宇宙 I(1957)
Pierre JODLOWSKI/Série Noire(2005)

 

初めまして。ピアノ弾きの林賢黙と申します。今回は憧れの競楽の本選への進出を心より光栄と思います。今回は2曲を演奏させていただきます。

私は日本の現代音楽に物凄く魅了され、結局その本場に留学まで行ってしまいました!私をここまで導いてくれた日本の沢山の作曲家と彼らの作品に敬意を表するために、1曲目は湯浅譲二の《内触覚的宇宙》を選びました。これは間違いなく、日本現代音楽の古典のような名曲であるでしょう。また、タイトルに使われた「内触覚的(haptic)」は、演奏する時の私の信念でもあります。

そして恐縮ですが、2曲目は私個人の話をしたいと思います。この《Série Noire(黒のシリーズ)》という曲は今の私の全てを表現できる曲だと思います。2曲とも優れた名曲ですが、沢山の物語を私なりで語って行きたいと思います。聴衆の皆様も是非、この2曲が語ってくれる物語を、私と一緒にお楽しみ下さい!

◎プロフィール

林賢黙は韓国から海を渡ってきたピアノ弾き。独学でピアノを始め、現代音楽の世界に魅了され、沢山の現代ピアノ作品の世界を探求している。彼はアジア、アメリカ、ヨロッパ等…からの沢山の作曲家や作品に会ってきたが、日増しに彼の心に浮かぶ疑問は、「音楽って、何だろう?」…謎を解くために彼はもっと多くの曲に会ってきたが、疑問は解けず。彼は結局、音楽以前に、自分はどんな世界に生きているかすら疑ってしまったのだ…。

 

▼予選演奏曲
松平頼曉/アルロトロピー(1970)