戦後に作曲された現代音楽作品の演奏を競う「第12回現代音楽演奏コンクール“競楽XII”本選会」(主催:日本現代音楽協会・朝日新聞社、審査委員長:安良岡章夫)が2016年12月4日(日)13時30分より、東京都渋谷区のけやきホールに於いて行われ、さいたま市の鈴木真希子さん(31)=ハープ=が優勝し、第25回朝日現代音楽賞(賞金50万円)を受賞した。
第2位は東京都北区の小倉美春さん(20)=ピアノ=、3位は川崎市の古川玄一郎さん(36)=打楽器。審査委員特別奨励賞に東京都荒川区の永野雅晴さん(25)=打楽器=、聴衆の投票による聴衆賞には大阪市の井上ハルカさん(29)=サクソフォン=が選ばれた。
表彰式は2017年1月東京都内で行われる、日本現代音楽協会新年パーティの席上で行われる。
朝日現代音楽賞:その年の現代音楽演奏に優れた業績を示した演奏家または演奏団体に授与する。コンクールを開催する年はコンクール優勝者に、行わない年は日本現代音楽協会会員、会友、音楽関係者などによる推薦により決定。
「第25回朝日現代音楽賞」選考コンクール
第12回現代音楽演奏コンクール“競楽XII”
主催:日本現代音楽協会 朝日新聞社
審査委員:
安良岡章夫(作曲家・東京藝術大学教授/審査委員長)
金子 仁美(作曲家・桐朋学園大学教授)
斉木 由美(作曲家・日本現代音楽協会会員)
溝入 敬三(コントラバス・第10回朝日現代音楽賞受賞者)
村田 厚生(トロンボーン)
日程:
予選 2016年11月4日(金)5日(土)
本選 2016年12月4日(日)
全54組参加 ※ソロも1組と数える。
会場:
けやきホール(古賀政男音楽博物館内/東京都渋谷区上原)
■第1位・第25回朝日現代音楽賞(朝日新聞社より賞状と賞金50万円)
鈴木 真希子(すずき まきこ)ハープ(31歳、埼玉県さいたま市在住)
洗足学園音楽大学卒業。パリ・エコール・ノルマル音楽院高等演奏課程を満場一致で卒業。パリ国立地方音楽院を満場一致で卒業。クレ・ドール国際コンクールにて1位。留学中アンターコンテンポランのアトリエに在籍。これまでに信国恵子、杉山敦子、F.ピエール、G.プチ・ヴォルタ氏に、現代音楽をB.シルベスター、J-Mコッケ、F.カンブルラン氏に師事。
本選演奏曲:
Betsy JOLAS/TRANCHE pour harpe seule(1968)
棚田 文紀/Mysterious Morning I pour harpe solo(1995)
Luciano BERIO/Sequenza II per arpa sola(1963)
■第2位(日本現代音楽協会より賞金10万円)
小倉 美春(おぐら みはる)ピアノ(20歳、東京都台東北区在住)
3歳より、ピアノ・ソルフェージュを始める。桐朋女子高等学校音楽科在学中、卒業演奏会等に出演。Stockhausen Festival(ミュンヘン)のピアノアカデミーに受講生として選抜され、ピエール=ロラン・エマール及びタマラ・ステファノヴィチ各氏のレッスンを受ける。桐朋学園大学主催第38回作曲作品展選出。現在桐朋学園大学音楽学部2年に在学中。ピアノを廻由美子、作曲を石島正博の各氏に師事。
本選演奏曲:
石島 正博/REQUIEM for piano solo(2011)
Karlheinz STOCKHAUSEN/Klavierstück XIV(1984)
■第3位(日本現代音楽協会より賞金5万円)
古川 玄一郎(ふるかわ げんいちろう)打楽器(36歳、神奈川県川崎市在住)
洗足学園音楽大学を首席にて卒業。同大学大学院修士課程修了。20世紀以降の音楽を得意分野とし、日本現代音楽協会主催の「現代の音楽展」等で国内外の作品の初演に参加する他、コンテンポラリーダンス、映像、写真、絵画、朗読等とのインスタレーションアートにも積極的に取り組む。劇団四季「異国の丘」、ミュージカル「テイクフライト」(宮本亜門)、舞台「から騒ぎ」(蜷川幸雄)他の打楽器を担当。洗足学園音楽大学講師。
本選演奏曲:
Karlheinz STOCKHAUSEN/ZYKLUS für einen Schlagzeuger Nr. 9(1959)
Matthieu BENIGNO, Alexandre ESPERET, Antoine NOYER/Ceci N’Est Pas Une Balle(2012)
■審査委員特別奨励賞(賞状と一般社団法人日本音楽著作権協会より表彰楯授与)
永野 雅晴(ながの まさはる)打楽器(25歳、東京都荒川区在住)
愛媛県出身。東京芸術大学卒。現在東京芸術大学修士2年。東京芸術大学卒業時に同声会賞受賞。その年の同声会新人演奏会に出演。Italy percussion competitionスネアドラム部門第2位。林英哲風雲の会としてヨーロッパツアーに参加。祝祭大劇場や楽友協会、またベルリンフィルハーモニーなど、12ヶ所でソリストとして和太鼓を演奏する。これまでに、中山航介、杉山智恵子、藤本隆文、安江佐和子、宮崎泰二郎、林英哲の各氏に師事。
本選演奏曲:
北爪 道夫 /サイド・バイ・サイド(1989)
Casey CARGELOSI/Tap Oratory(2015)
■入選(本選演奏順)
中山 加琳(なかやま かりん)ヴァイオリン(28歳、東京都町田市在住)
本選演奏曲:
藤倉 大/Samarasa for violin(2010/new version 2014)
Pierre BOULEZ/Anthèmes 1 pour violon seul(1992)
■聴衆賞(本選会にご来場のお客様による投票の最多得票者へ贈られます)
井上 ハルカ(いのうえ はるか)サクソフォン(29歳、大阪市東成区在住)
本選演奏曲:
Stefano GERVASONI/Phanes II(2009-10/2013)
棚田 文紀/Mysterious Morning III(1996)