朝日現代音楽賞受賞記念 SALLE DE HARPE
2017年9月15日[金] 18:30開場 19:00開演
ムジカーザ(小田急線・東京メトロ千代田線「代々木上原」)
露木正登/Fantasia for Harp solo [2010]
橋本 信/新曲初演 [2017]
松尾祐孝/新曲初演 [2017]
棚田文紀/Mysterious Morning I pour Harpe solo [1995]
Isang Yun/In Balance für Harfe solo [1987]
Luciano Berio/Sequenza II per arpa sola [1963]
R. Murray Schafer/The Crown of Ariadne for solo harp with percussion [1979]
演奏:鈴木真希子(ハープ)
■チケット 全席自由
一般 3,000円 学生 500円
チケット予約・問合せ
・プランニングオフィスネイチャ
Tel: 045-433-6274
E-mail: info@planningoffice-nature.com
Web: www.planningoffice-nature.com
・e+(イープラス)
http://eplus.jp/(一般のみ取扱)
【主催】Salle de Harpe コンサート企画
【後援】日本現代音楽協会・日仏現代音楽協会
【マネジメント】プランニングオフィスネイチャ
鈴木真希子:洗足学園音楽大学卒業。在学時秋山和義氏指揮大学管弦楽団定期演奏会にてソリストを務める。パリ・エコール・ノルマル音楽院高等演奏課程を満場一致で卒業。パリ国立地方音楽院を満場一致で卒業。クレ・ドール国際コンクールにて第一位。現代音楽団体アンサンブル・アンターコンテンポランのアトリエに在籍。同団体首席ハープ奏者の祭典に参加、電子ハ-プ音楽を披露する。K.サーリアホ氏と共に特殊奏法の研究を行いハープの為の作品を多数演奏する。シテ・ドゥ・ラ・ミュ-ジック、パリ市内外のコンセルヴァトワ-ルにて演奏活動を行う。帰国後東京にてリサイタルを開催。第12回現代音楽演奏コンク-ル“競楽”第一位。第25回朝日現代音楽賞受賞。これまでに信国恵子、杉山敦子、F.ピエール、G.プチ・ヴォルタの各氏に、現代音楽をF.カンブルラン、B.シルヴェスター、J.M.コッケ氏に、室内楽をY.アンリ氏に師事。
INTRODUCTION
ルチアノ・ベリオは言った『霧の中に隠れ、木の後ろで、メリザンドの髪をした半裸の美しい女性が弦をなでる…伝統的なハープの印象である。この詩的想像を遥かに超え、ハープはより強く豊かな楽器となった。女性的な楽器? そうかもしれない。ただしそれは“自由”で、陸生で強い女性である』と。 絹のようなグリッサンド、粒のような和音、妙技なアルペジオ、そしてサロン音楽での美しいレパートリーによってハープのイメージはロマンチックなものとなった。しかしながらハープの多彩な顔はそれだけに留まらない。演劇やジャズ、即興なども包囲する。ペダルの音や、衝撃音、爪の音、こすり音、きしみ音、すべてが音楽的話法としての要素となる。ハープ奏者たちは、つねって、ひっかき、擦り、叩き、かきむしり、撫で、話し、歌い、口笛を吹き、ささやく。ねじ回しや消しゴム、紙、バチ、弓、栓、洗濯ばさみを使い、楽器の後ろや横、前に座ったり、立ったり。弦のみでなく響板から共鳴胴、ネック、ペダルをも探求するのだ。『我々が演奏しているのは人生だ』とルイ・アームストロングが断言したように、次から次へと陰謀をめぐらせるハープは乱暴に、浅薄に、魅力的に、真面目に、瞑想的に、陰気に、快活に、遊戯的に、お茶目で、そして扱いにくくもなる。 『ハープ奏者は新しい分野への好奇心が強く、全身全霊で取り組むがゆえに真のレパートリーの生み出しを容易にする。また、創造することへの習慣を強く持ち合わせている』イヴァン・ベロックの言葉だ。確かに想像力豊かなハープ奏者と作曲者のコラボレーションの影響から視野は広がり技術は深まり、表現の可能性は発展した。特にソロ作品の成熟は二者の出会いによる成果である。例えば ; フランシス・ピエールとルチアノ・ベリオ、ベスティ・ジョラス、アントワーヌ・ティスネ、エディット・ルジェ、野平一郎 ; シルヴィ・ベルトランドと平義久、ジル・キャレ ; ウルスラとハインツ・ホリガーのように… 多様な演奏法や精練されるニュアンスの色調、すべての音域の活用、単なる『美しい音』だけではなく様々な特有の音色の模索、楽器のすべての部位の探求、演劇のような身体表現との係り合い…このようにしてハープは大胆に、そして独創的に発展するのである。
-La harpe aux XXe et XXIe sièclesより抜粋
『20世紀と21世紀のハ-プ』