現音 バイクを手配、次は何をやる!? 松平頼曉《What’s next?》

東京オペラシティリサイタルホールのステージにバイクが登場!
そりゃなかなか上演出来なくて「訳あり!?」とも言われますよね…。

どうも、TT事務局員です。現音ブログでは時々執筆していましたが、リニューアルサイトでは初めてですね。

さて、11月24日(木)に上演する松平頼曉会員のシアターピース《What’s next?》では「ノイズメーカー」と名付けられたパフォーマー2人が、様々な物をステージに持ち込んで、いろーーーんな音を出します。その「様々な物」のひとつがバイクという訳です(ね「訳あり」でしょう?)。

そのバイクですが、どうやって手配し、どうやってホールに入れようか…と頭を抱えていたところ、音楽評論家の石塚潤一さんが救いの手を差し伸べて下さいました! なんと、ご近所のお知り合いの方がバイクを提供して下さると言うのです!

そこでお邪魔したのが都内にある桜井重雄様宅。工務店を営んでらっしゃるというお宅の玄関先まで行ってみると、ガレージに鎮座するネオクラシックな青いバイクと、赤く重厚なボディのハーレー!!

上がヒロ桜井さん、下が平川準さん所有のバイク

上がヒロ桜井さん、下が平川準さん所有のバイク

ジャジャン!これです!

青い方は桜井重雄さんのご子息、ヒロ桜井さん所有。元々はバイクショップのショー用に作られたモデルだそうですが、今はヒロさんの手によってカスタム仕様に。コンパクトボディながら250CCというスペックで、聴かせて頂いたエンジン音もクールでカッコいい!

一方の赤いハーレーは、桜井さんのご近所に在住の平川準さん所有のもの。900CCの圧巻の存在感。こちらのエンジン音はやはりズシリと重く、とは言うものの、荒々しいというよりは気品が有る感じでした。

ヒロさんのバイクのエンジン音がトランペットなら、平川さんのハーレーはバストロンボーン、そんな感じでしょうか。エンジンやマフラーの素材・形状によってこんなにも音が違うのかと、まさに楽器と同じですね。

バイクを見せて頂いた後、重雄さんの秘密の部屋(?)に通して頂きました。なんとそこは重雄さんの趣味、コレクション、夢が詰まった空間でした! ここではとても紹介しきれないので、別の訪問者のレポートをリンクさせて頂きます!

重雄さんは4〜5歳頃にして模型ボートにはまり、中学生の頃にはラジコンボートで全日本チャンピオンになったお方! そんなモーターお父さんの影響を受けないでか!息子ヒロさんもまたラジコンボートや自動車の全日本プロドリフト選手権「D1」でご活躍、レースの写真も飾ってありました。(6位入賞の大会記事PRS13型も

「こんな部屋あったんだ。近くに住んでるのに知らなかったよ」と平川さん。平川さんはご自身が画家、奥様がオルガン奏者という芸術一家。只今渋谷の「Gallery mu」で個展の真っ最中という忙しい中、快くこの企画に協力して下さった事に感謝です。

この日はヒロさんにクラシックギターを教えてらっしゃる、西野ギター製作所(埼玉県所沢市)の西野雅人さんもお見えでした。現代音楽関係者が訪問するということで、感心を持っていらして下さったそうです。嬉しい限りですね。

最後に集合写真。さて、この面々でお送りする十数年ぶりの《What’s next?》はどのような上演になるのでしょうか!? 皆様是非その目と耳でお確かめ下さい!

左から西野雅人さん、ヒロ桜井さん、桜井重雄さん、松平頼曉、福井とも子、平川準さん、石塚潤一さん

▼現音・特別音楽展2011「世界に開く窓〜古往今来」
[第2部] 世界に開く窓〜訳あり!?
2011年11月24日(木)17:30開場/18:00開演
東京オペラシティリサイタルホール

松平 頼曉/What’s next? [作曲1967-1971年] メリ・ニクラ(ソプラノ) 多井 智紀・福井 とも子(パフォーマンス)

★一般券2,000円はケットぴあで販売中(当日券は3,000円)
★学生券はなんと1,000円!お申し込みは下記まで。
電話:03-3446-3506
電子メール:80th (a) jscm.net

新人賞ファイナリスト紹介〜その2〜松浦伸吾

松浦伸吾《霧中の紅》スコア

松浦伸吾《霧中の紅》スコア

第28回現音作曲新人賞の候補作品にノミネートされております、松浦伸吾と申します。拙作《霧中の紅》の初演の機会を与えて頂いたことを、心から嬉しく思っております。書きたいものを素直に書いた作品ですので、その喜びも非常に大きい。

先日、東京の幡ヶ谷において初リハーサルが行われました。今回の編成は三重奏。演奏者同士の対話または呼応というものが至極重要な要素となるこの編成において、作曲者としての私がその初演のために成すべきことというのは、実はほとんど無いのかもしれない。演奏者それぞれが、靄がかったようなこの作品の実体を何とか掴もうと挑んでくださっていました。その作業の後に、三者による濃密なアンサンブルが現れるのでしょう。

本選会まで一週間弱でしょうか。演奏家の皆様に委ね、“音楽”が豊かに表出されることを祈りつつ、初演の時を待つことができれば、と思います。

 

 

 

 

松浦伸吾(まつうらしんご)1979年生まれ。大阪音楽大学音楽学部作曲学科を経て同大学大学院音楽研究科作曲専攻修了。近藤圭、久保洋子の各氏に師事。

▼現音・特別音楽展2011「世界に開く窓〜古往今来」
[第1部] 第28回現音作曲新人賞本選会
2011年11月24日(木)17:30開場/18:00開演
東京オペラシティリサイタルホール

松浦 伸吾/霧中の紅 [作曲2011年/初演]
竹内 弦・星野 沙織(ヴァイオリン) 兼重 稔宏(ピアノ)

★一般券2,000円はケットぴあで販売中(当日券は3,000円)
★学生券はなんと1,000円!お申し込みは下記まで。
電話:03-3446-3506
電子メール:80th (a) jscm.net

新人賞ファイナリスト紹介〜その1〜酒井信明

「現音作曲新人賞本選会」間近!! 本日から連載でファイナリストの皆さんを紹介していきます。初回の本日は、なななんと…!

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左からfl多久潤一朗、bsn福井弘康、酒井信明、vn星野沙織

作曲の酒井です。このたび、作曲新人賞にて《Nana》を演奏していただくことになりました。二回目のリハーサルが終わった時点でこの文章を書いています。

自分の作品(新作)を実際に音にしてもらうというのは、おそろしいことに十年ぶりぐらいですね。自分の作品が演奏されないことにすっかり慣れきってしまっているので、最近は実際の演奏をあまり考慮せず、楽譜を書くことを楽しみに作曲する今日この頃です。

なかでもこの作品はとくにアイデアの提示や、譜づらの見た目にこだわって書いたもので、演奏?なにそれ、おいしいの?の感なくんばあらず、です。それでも演奏してもらわなくてはならないのですから、あまり容易な仕事ではないところを真剣に取り組んで頂いて、リハーサルは有意義な時間を過ごさせていただいています。音楽をつくるのは演奏なので、私の作品を作っていただいている感じです。

この”Nana”という作品は本質的な意味での旋律をひとつのテーマとした純音楽で、フーガやソナタなどと同様、あまり言葉での解説を必要としない音楽ではないかと思います。実際の演奏に、音に触れ、楽しんで頂ければ幸いです。

 

 

 

 

酒井信明(さかいのぶあき)1976年兵庫県生まれ。大阪芸術大学音楽学科、京都市立芸術大学音楽学部作曲専攻を卒業。松永通温中村典子の各氏に師事。

▼現音・特別音楽展2011「世界に開く窓〜古往今来」
[第1部] 第28回現音作曲新人賞本選会
2011年11月24日(木)17:30開場/18:00開演
東京オペラシティリサイタルホール

酒井信明/Nana [作曲2008年/初演]
多久潤一朗(ピッコロ) 星野沙織(ヴァイオリン) 福井弘康(バスーン)

★一般券2,000円はケットぴあで販売中(当日券は3,000円)
★学生券はなんと1,000円!お申し込みは下記まで。
電話:03-3446-3506
電子メール:80th (a) jscm.net

11月の主催公演(2) アンデパンダン展 第2夜

アンデパンダン展 第2夜

アンデパンダン展 第2夜

▼アンデパンダン展 第2夜
2011年11月9日(水)18:00開場/18:30開演
東京オペラシティリサイタルホール

岡坂慶紀/デュエット(2ヴァイオリン)(2010/初演)
進藤義武・木村眞弓(ヴァイオリン)

浅野藤也/「MELOS」チェロとピアノのための(2011/初演)
鈴木皓也(チェロ)兼重稔宏 (ピアノ)

宮崎 滋/連祷 ―三曲合奏(2009)
金子朋沐枝(尺八)久野木史恵(三絃)池上亜佐佳(箏)

北條直彦/“インタープレイ2”~フルート、ヴァイオリン、ピアノのための~(2011/初演)
増本竜士(フルート)佐藤まどか(ヴァイオリン)松山元(ピアノ)

田口和行/-ade for clarinet solo(2010年度関西圏企画招待作品)
上田希(クラリネット)

赤石直哉/Fantasia IV for Flute and Piano(2011/初演)
丸田悠太(フルート)赤石直哉(ピアノ)

田中範康/「心象風景 I」チェロとピアノのための(2011/初演)
安田謙一郎(チェロ)松山元(ピアノ)

木下牧子/もうひとつの世界(2011/初演)
戸澤哲夫(ヴァイオリン)小野富士(ヴィオラ)藤森亮一(チェロ)藤原亜美(ピアノ)

◎制作:蒲池愛

 

「アンデパンダン展 第1夜」の情報はこちら。

11月の主催公演(1) アンデパンダン展 第1夜

アンデパンダン展 第1夜

アンデパンダン展 第1夜

▼アンデパンダン展 第1夜
2011年11月8日(火)18:00開場/18:30開演
東京オペラシティリサイタルホール

岡田昌大/チェロとチェロのための“念誦”(2009/改訂初演)
朝吹元(チェロ)幾度友恵(ピアノ)

梶 俊男/”relic” for cello(2003)
安田謙一郎(チェロ)

三枝木宏行/Canticum No.5 夢野久作による情景(2011/初演)
田中麻理(ヴォーカル)大須賀かおり(ピアノ)福島喜裕(打楽器)松平敬(ヴォーカル/語り)

下山一二三/「アマルガム 」―尺八とバスクラリネットとピアノのた めの―(2008)
神令(尺八)菊地秀夫(バスクラリネット)神三奈(ピアノ)

坪能克裕/Celestial-Vib(2011/舞台初演)
會田瑞樹(ヴィブラフォン)

仲俣申喜男/De profundis(2011/初演)
小畑朱実(アルト)安田謙一郎(チェロ)山口恭範(打楽器)

松永通温/池、林そして風(2010)
辺見康孝(ヴァイオリン)菊地秀夫(クラリネット)松永加也子(ピアノ)

ロクリアン正岡/クラリネットデュオによる音楽「犬というもの」(2010/初演)
菊地秀夫・内山厚志(クラリネット)

◎制作:赤石直哉

 

「アンデパンダン展 第2夜」の情報はこちら。