【現代の音楽展】第19回朝日現代音楽賞受賞記念 吉村七重箏リサイタル 2月24日JTアートホールアフィニスで開催

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〈扉—未知なる創造へ 現代の音楽展2013〉
第19回朝日現代音楽賞受賞記念 吉村七重箏リサイタル

2013年224日(日)17:30開場 18:00開演|JTアートホール アフィニス(虎ノ門)

制作:佐藤昌弘松尾祐孝


松尾祐孝/フォノXI~二十絃箏独奏の為に~[作曲2012年]
吉村七重(二十絃箏)

板本勝百/紫苑の小袖~二面の二十絃箏のために〜[作曲2012年/初演]
田村法子(二十絃箏Ⅰ) 坂本ゆり子(二十絃箏Ⅱ)

佐藤昌弘/ミラージュ~二十絃箏とオーボエのために[作曲2012年/初演]
吉村七重(二十絃箏) 上畠善男(オーボエ)

松永通温/分け入る夢の森[作曲2012年/初演]
吉村七重(二十絃箏) 辺見康孝(ヴァイオリン)

久田典子/Progression2012 for 20 strings koto[作曲2012年/初演]
吉村七重(二十絃箏)

福士則夫/二十絃箏と笙のための「火の鳥」[作曲2009年]
吉村七重(二十絃箏) 宮田まゆみ(笙)

 

●全自由席4,000円 チケットぴあウェブサイトで購入 電話で購入 ⇒ 0570-02-9999(Pコード188-585)

 

日本を代表する二十絃箏奏者と作曲家による新作初演プロジェクト

〈現代の音楽展2013〉のフィナーレは、2011年度の朝日現代音楽賞受賞者、箏奏者吉村七重の受賞記念リサイタル。日本現代音楽協会会員による二十絃箏のソロ作品から他楽器とのアンサンブル作品まで、いずれ劣らぬ6作品が、現代二十絃箏のトップ奏者の手を通じてさらなる輝きを放つ。

 

▼プロフィール

吉村 七重
古典箏曲と共に1971年から新しい表現を求めて二十絃箏を手掛け日本を代表する演奏家として活躍。100曲を超える作品を初演。1988年からはじめた委嘱作品によるリサイタル・シリーズは高い評価を受け、1992年文化庁芸術祭賞、 ’93第三回出光音楽賞、’94第一回日本伝統文化振興賞、’99中島健蔵音楽賞、等受賞。2010年には第19回朝日現代音楽賞と平成21年度芸術選奨文部科学大臣賞をダブル受賞。2012年に平成24年春の褒章で紫綬褒章を受章。1986年国際交流基金他の助成による海外でのコンサートを開始、ヨーロッパ、北・中・南アメリカ、アジア、中東諸国での音楽祭等にソリストとして招聘され、日本文化の紹介、国際交流に貢献を果たしている。プラハの春音楽祭、ISCM世界音楽の日々、他の現代音楽祭、カーネギー・ホール100周年への出演、ゲヴァントハウス管200年祭などオーケストラとの共演も展開。CDも多数リリースされている。吉村七重箏研究所主宰「邦楽展」では若手演奏家の育成と新作の開発に努め、成果をあげている。「日本現代箏曲研究会」代表。 ウェブサイト⇒ http://nanaehp.web.fc2.com

 

主催:日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
助成:芸術文化振興基金
公益財団法人ロームミュージックファンデーション
公益財団法人花王芸術・科学財団
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)

【現代の音楽展】室内オーケストラの新地平II〜JSCMユース・チェンバー・オーケストラと“競楽”優勝者の饗宴 2月13日渋谷さくらホールで開催

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〈扉—未知なる創造へ 現代の音楽展2013〉
室内オーケストラの新地平 II
〜JSCMユース・チェンバー・オーケストラと“競楽”優勝者の饗宴

2013年213日(水)19:00開演|渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール(渋谷)

制作:松尾祐孝安良岡章夫


1.倉内直子/「光の日々―私達の覚醒するつながり」―フルート独奏と12楽器のための[作曲2012年/初演]
フルート独奏:増本竜士 (競楽Ⅷ優勝/第18回朝日現代音楽賞受賞)

2.野崎勇喜夫/カヌシャマ・トゥバラーマ[作曲2012年/初演]

3.近藤浩平/ギター協奏曲「旅するギター」作品131[作曲2012年/初演]
ギター独奏:山田岳(競楽Ⅸ優勝/第20回朝日現代音楽賞受賞)

4.遠藤雅夫/<フリーズⅤ>室内管弦楽のための[作曲2012年/日本初演]

5.露木正登/“幻想曲風にⅡ”~フルート独奏と14人の奏者のための[作曲2012年/初演]
フルート独奏:間部令子(競楽Ⅶ優勝/第16回朝日現代音楽賞受賞)

JSCMユース・チェンバー・オーケストラ
竹内弦(ヴァイオリン/コンサートマスター)
星野沙織(ヴァイオリン)、藤原歌花(ヴィオラ)、松本卓以(チェロ)、倉持敦(コントラバス)
多久潤一朗(フルート)、上畠善男(オーボエ)、三木薫(クラリネット)、川崎聡(バスーン)
福川伸陽小川敦(ホルン)、津守祥三(トランペット)、永見智(トロンボーン)
兼重稔宏(ピアノ)、関聡(打楽器)

指揮松尾祐孝 2,3,5 安良岡章夫 1,4

 

●全自由席3,000円 チケットぴあウェブサイトで購入 電話で購入 ⇒ 0570-02-9999(Pコード188-585)

 

JSCMユース・チェンバー・オーケストラと“競楽”優勝者の饗宴

日本現代音楽協会(現音)の人材育成企画のひとつ「現代音楽演奏コンクール“競楽”」の優勝者たちと、若手精鋭現音室内オーケストラ「JSCMユース・チェンバー・オーケストラ」の瑞々しさ溢れる共演の一夕。初演、日本初演の5作品が、無類に鮮烈な熱気の中で凌ぎをけずる。

 

▼プロフィール

間部 令子 Reiko MANABE, flute
桐朋学園大学音楽学部卒業。カリフォルニア芸術大学音楽学部大学院修士課程、カリフォルニア大学サンディエゴ校音楽学部現代音楽演奏学科博士課程を修了。これまでに米国、英国、ベルリン、シンガポール、韓国、パリ等で演奏。mmm…代表。

増本 竜士 Ryuji MASUMOTO, flute
東京藝術大学卒業。ジュネーブ音楽院ソリスト課程、ストラスブール音楽院特別専攻科(現代音楽分野)パリ市立音楽院(ピッコロ専攻)修了。ハイファ国際フルートコンクール、アジアフルートコンクールセミファイナリスト等。第11回松方音楽賞奨励賞。

山田 岳 Gaku YAMADA, guitar
ギターを佐藤紀雄、D.ゲーリッツの各氏に師事。内外の作曲家と広く交友し多くの独奏・室内楽作品の初演に携わる。これまでにベルリン、ハノーファー、北京、ハノイ、ホーチミンシティ各都市から招聘され、リサイタルやマスタークラスなどを行っている。

 

主催:日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
助成:芸術文化振興基金
公益財団法人ロームミュージックファンデーション
公益財団法人花王芸術・科学財団
公益財団法人三菱UFJ信託芸術文化財団
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)

【現代の音楽展】世界に開く窓 中村麗プロジェクト:ピアノ+エレクトロニクス+ビデオ 2月8日杉並公会堂小ホール、翌日レクチャーも

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〈扉—未知なる創造へ 現代の音楽展2013〉

世界に開く窓~世界で活躍する日本人音楽家シリーズ vol.1
中村麗プロジェクト:ピアノ+エレクトロニクス+ビデオ

2013年28日(金)18:30開場 19:00開演|杉並公会堂小ホール(荻窪)

制作:国際部、福井とも子

 

イダ・ルンデーン(スウェーデン)/Verktum (2012) piano, electronics and video
ビデオ作品:エカ・ビブレイシュヴィリ/border and lines

伊藤高明/LOGE Ⅰ (2012/初演) piano, electronics

徳永 崇/Etude for piano and pulse (2012/初演) piano, electronics 音響制作:今堀拓也

リュク・フェラーリ(フランス)/Und so Weiter (1966) piano, tape and percussion for pianist

渡辺俊哉/Vanishing Point (2012/初演) piano, electronics エレクトロニクス:池田拓実

ヨハネス・クライドラー(ドイツ)/study (2011) piano, electronics and video

 

ピアノ:中村麗 エレクトロニクス:有馬純寿

 

●全自由席3,000円 チケットぴあウェブサイトで購入 電話で購入 ⇒ 0570-02-9999(Pコード188-585)

 

レクチャー

2013年29日(土)18:30開演|きゅりあん(大井町駅前)4階第2特別講習室

講師:中村麗、イダ・ルンデーン

料金:500円(先着20名様限定予約制)
▼お申し込み:日本現代音楽協会 メール gendai2013(a)jscm.net 電話 03-3446-3506

 

 

ピアノ+エレクトロニクス+ビデオ

02nakamura_u海外を拠点に活躍する日本人演奏家は少なくない。刺激的な環境の中、徐々に周りからの信頼を得ながら、積極的に活動を続ける彼らの多くは、日本でも何かしたいという考えを持っている。しかしそれを個人で実現することは容易ではない。そういった演奏家達を是非紹介したいと思ったことが、このシリーズを始めるきっかけである。取り上げる演奏家には、現音会員の作品の他に、日本でまだ知られていない海外の話題作等をを紹介してもらう。

シリーズ第1弾はドイツ在住のピアニスト、中村麗。学生時代からケージ研究やプリペアドピアノの研究等で注目を集めはじめた中村は、2007年にエレクトロニクスを使った作品(アネスリー・ブラックの“4238 de Bullion”)と出会い、以来音響のみならず、ビデオやライブビデオを伴った曲を数多く演奏してきた。すでに多くの作曲家が彼女のために曲を書いており、今、最も旬な分野の旬な演奏家と言えるだろう。

中村は日本生まれブラジル育ちで、19歳からずっとドイツで研鑽を積んでいる。その環境故か、今や7カ国語を自由に使いこなす才媛である。その国際的感覚と、ちょっと不思議な天然キャラを武器に、ボーダレスに活躍する中村麗に今後も注目して行きたい。

今回中村が紹介してくれる作曲家は、イダ・ルンデーン(スウェーデン)とヨハネス・クライドラー(ドイツ)。二人ともマティアス・シュパリンガーの弟子である。ルンデーンは、リアルタイム・エレクトロニクスやキーボード奏者としても活躍している。この演奏会を機に初来日予定。クライドラーも、今年ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習会でクラーニッヒシュタイナー賞を受賞する等、若手ながらもすでに数々の受賞歴があり、今ヨーロッパで最も注目されている作曲家の一人である。中村、ルンデーン、クライドラーはフライブルグ州立音楽院でともに学生時代を過ごした。10年経って再会した3人が、互いの成長を認めつつ、また新たな形でコラボレーションをする。

そして日本でも人気の高いリュク・フェラーリの”Und so Weiter”。中村は近々この曲をフェラーリ財団の推薦を得て録音することになっている(レーベル:Testklang 協力:La Muse en Circuit、Presque Rien Foundation)。名曲ながら、ピアニストが打楽器も同時に演奏するという大変さもあって、日本での演奏頻度は決して高くない。

現音からは、伊藤高明徳永崇渡辺俊哉の3名に作品提供を依頼した。徳永と渡辺にとっては初のエレクトロニクス作品であり、非常に興味深い。徳永は演奏者の身体性を意識したアクロバティックな作品、渡辺は電子音とピアノの音との響きが会場を行き交うという作品、また伊藤はピアニストが楽譜の断片を好きなように組み立てて演奏するという、いわば「音楽版レゴ」のような作品。これらの3作品が、中村によって、いずれ海を越えてどこかで再演されるであろうことも、この企画の狙いの1つである。(日本現代音楽協会 国際部長:福井とも子)

 

▼プロフィール

中村 麗  Rei NAKAMURA, piano
東京都生まれ。3歳でブラジルへ転居。5歳よりピアノを始める。19歳でドイツへ渡り、フライブルグ州立音楽院に入学。ジェイムス・エヴリー氏に師事。在学中より現代音楽の演奏に加わる。2002年大学院へ進学。またザールランド州立音楽院にて現代音楽を菅原ラッヘンマン幸子氏に、音楽学をアンドレアス・ヴァグナー氏に師事する。2005年最優秀の成績で修了。数々の受賞歴(ヴィラロボス・ジュニア・ピアノコンクール第1位、 マグダ・タリャフェホ音楽院ピアノコンクール 第2位、ダルムシュタットクラニッヒシュタイナー奨学金賞等々)がある。2007年より、ピアノ、エレクトロニクス、ビデオによるプロジェクト”Mouvement to sound, sound to Movement”を始め、ヨーロッパを中心とする各地から招待を受けて、コンサートを開催。作曲家らと共に新しい音楽への道を探っている。また、プリペアードピアノによる即興活動や、ブラジルの作曲家を紹介する企画等も活発に行っている。今回日本現代音楽協会の企画で、上記プロジェクトの日本デビューとなる。

 

 

主催・お問い合わせ:日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
助成:芸術文化振興基金
公益財団法人ロームミュージックファンデーション
公益財団法人花王芸術・科学財団
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)
協力:Association PRESQUE RIEN

【現代の音楽展】野村誠 鍵ハモトリオ「鍵盤ハーモニカ3重奏のために。」2月3日芦屋・山村サロンで開催

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〈扉—未知なる創造へ 現代の音楽展2013〉現音 in 関西 第3弾

野村誠 鍵ハモトリオ「鍵盤ハーモニカ3重奏のために。」

2013年23日(日)14:30開場 15:00開演|山村サロン(兵庫県・芦屋駅前 芦屋ラポルテ本館3F)

制作:近藤浩平

 

1曲3分、15人の作曲家による、15曲。

アンドリュー・メルヴィン/トリオ
池田真沙子/もつれたリチェルカーレ(初演)
大慈弥恵麻/Nasobema 2 (初演)
ガルディカ・ギギー・プラディプト/カンポンメロディー(初演)
木山 光/曾根崎心中(初演)
近藤浩平/南の島の3人の男(初演)
高橋哲男/五連鐘楼のアナグラム(初演)
田口雅英/3分間の夢想(初演)
中村典子/雛翠 baby green(初演)
野村誠/ベルハモまつり
平木 悟/音楽は◎る(初演)
福井とも子/新作(初演)
三沢治美/ブルーダンス(初演)
南川弥生/ムーンレインボウ(初演)
諸橋玲子/おとなひII(初演)

演奏:野村誠片岡祐介鈴木潤(鍵盤ハーモニカ)

 

全自由席2,500円

チケットお求め ⇒ 日本現代音楽協会 メール:gendai2013(@)jscm.net 電話:03-3446-3506

 

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鍵ハモトリオ・コレクション

kenhamo_trio_裏「百人一首」のような「鍵盤ハーモニカ(鍵ハモ)トリオ集」を作ろうと思って,同時代に生きる作曲家に委嘱を始めたのは、2006 年のこと。 5年間で、3分以内の小品が16曲も集まり、一曲ごとに全く違った響きが立ち上がった.鍵ハモトリオという編成は、本当に可能性があると確信した。しかも、日本は世界屈指の鍵ハモ先進国。メンバーを集めるのも比較的簡単で、再演もしやすい。コンサートホール、ライブハウス、会議室、カフェ、様々な場所で演奏ができる。例えば、田中吉史の「うろおぼえの旋律とコラール」は、07年に京都で初演したが、その後も、08年に東京で、 09年に浜松、名古屋、ロンドン、東京で再演するなど、頻繁に演奏している。

日本以外の国では、鍵ハモトリオは、非常に珍しい編成だが、鍵ハモと譜面と音源を持って、世界各地で少しずつ種まきをし、輪が広がってきた。イギリスには、鍵ハモに興味を示している作曲家が何人もいる。 例えば、Andrew Melvinがブルネル大学に提出した博士論文では、彼自身の鍵ハモトリオ作品「トリオ」について、詳述されている。インドネシア国立芸大を最優秀の成績で卒業したばかりのGardika Gigih Pradipta は、鍵盤ハーモニカを頻繁に用いた演奏活動を展開している。そして、こうした鍵ハモに興味を示す作曲家は,面白い作曲家ばかりなのだ。

こうした活動に、日本現代音楽協会が興味を示し、鍵ハモトリオの新作を公募することになった。これは、歴史的な事件だと思う。名乗りをあげた作曲家は、予想通り個性派ぞろいだった。日本現代音楽協会の会員から7名、非会員から4名、計11名の新作が集まった。それに加えて、インドネシアの民族音楽を題材にしGardika Gigih Pradiptaの作品、非常にエネルギッシュでリズミカルな木山光の作品、イギリス人らしいユーモアが詰まったAndrew Melvinの作品など、あわせて15人、15曲。譜面を前に現在、猛練習中で、大変だがこれは本当に面白い。今回のプログラムは、様々な音の珍味を一口ずつ味わっていただけると思う。

コンサートでは、3分の曲の演奏の前に、それぞれの作品や作曲家に関する5分のトークをつける予定だ。  鍵ハモトリオという編成は、いずれ(ハイドンの時代の弦楽四重奏のような)スタンダードな編成になると思う。多くの作曲家が、これからも鍵ハモトリオの作品を書くだろうし、鍵ハモを演奏するプレイヤーも増えていくだろう。そんな時代は時々刻々と近づいている。今回のコンサートは、その大きな一歩になると思う(野村誠)

 

▼プロフィール

野村誠 NOMURA Makoto
鍵ハモ奏者として、現代音楽/即興演奏のフィールドを中心に、幅広く演奏活動。Juice Festival(イギリス)、Melodica Summit(ドイツ)、Lille 2004(フランス)、Zommer Jazz Fiestour(オランダ)、竹山国際芸術祭(韓国)、Festival Musik Tembi(インドネシア)などで鍵盤ハーモニカを演奏。96 年、鍵ハモ・オーケストラ「P-ブロッ」結成し、平石博一、Elliott Sharp、しばてつ、Soe Tjen Marching他、数多くの作曲家の新作を世界初演。06 年より、「鍵ハモトリオ」プロジェクトを開始し、鶴見幸代、朴守賢、田中吉史、David Kotlowy、橋本知久、牛島安希子などの作曲家の委嘱新作を次々に世界初演。09 年、国際交流基金(ロンドン)にて、鍵ハモのレクチャーを行う。NHK 教育テレビ「あいのて」、「ひみつのチカランド」、「ドレミノテレビ」などに出演し、鍵ハモの魅力を伝える。第1回アサヒビール芸術賞受賞。作曲プロジェクト「原発やめます」を進行中。著書に「音楽づくりのヒント」(音楽之友社)、「即興演奏ってどうやるの」(あおぞら音楽社、片岡祐介との共著)ほか。現在、京都造形芸術大学客員教授。

片岡祐介 KATAOKA Yusuke
1969年生まれ。東京音楽大学で打楽器を学び、スタジオミュージシャンを経て、1997年~ 2000年、岐阜県音楽療法研究所に研究員。打楽器奏者としては、伊左治直、坂野嘉彦、近藤浩平、野村誠などの作品を世界初演。06年度NHK教育テレビ「あいのて」に黄色のあいのてさんとしてレギュラー出演。1998年より、鍵ハモ・オーケストラ「P-ブロッ」にゲストとして参加するなど、頻繁に鍵ハモの演 奏を行う。2009 年には、ロンドンの国際交流基金にて、Andrew Melvinの鍵ハモ3 重奏のための「トリオ」を世界初演。著書に「CDブック音楽ってどうやるの」(野村誠と共著:あおぞら音楽社)がある。現在、京都女子大学、京都造形芸術大学非常勤講師。

鈴木潤 SUZUKI Jun
バス鍵ハモの第一人者。京都大学哲学科卒業後(卒業論文のテーマは「リズム概念の拡大と発展」)、レゲエ・キーボーディストとして、ジャマイカおよび日本のレゲエアーティストのツアー・レコーディング等をサポート。その後、R&B、ブラジル音楽のキーボーディストしても活躍。鍵ハモ・オーケストラ「P-ブロッ」は、結成時より参加し、バス鍵ハモの演奏技術を開拓し、イギリス、フランスでの公演で、絶賛される。11 年、メロディオンフェスティバルに出演し、バス鍵ハモの魅力を披露。著書に「こどもの器楽合奏曲集」、「音・リズム・からだ」(民衆社)ほか。参加CD多数。現在、京都女子大学、京都造形芸術大学非常勤講師。
主催:日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
協力:山村サロン
協賛:株式会社鈴木楽器製作所
助成:芸術文化振興基金
公益財団法人 花王芸術・科学財団
公益財団法人ロームミュージックファンデーション
一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)

第22回朝日現代音楽賞受賞の言葉〜佐藤祐介(ピアノ)

第22回朝日現代音楽賞受賞 佐藤祐介(ピアノ)

 

佐藤祐介 本選の演奏

このコンクールはとても自己プロデュース能力が問われる一筋縄では行かないコンクールで、あらゆる国の多種多様な作品、さまざまな編成が並んでいます。また、審査員の先生方は現代音楽のプロフェッショナルですので音楽の本質を審査されるのだろうと思っていましたが、私にはとても先の読めないレースのように感じられました。

ファイナリスト決定時に、初めて演奏するファイナルの2曲に手を付けておらず、限られた時間でそのステージに向けて何をすることが出来るのかを考えていました。現代音楽にはさまざまなタイプの音楽があります。しかし、私のプログラムには特殊奏法や内部奏法を含む曲はなく、決してコンクール向けといわれるものではありませんでした。ピアノの限られた制約の中で、私はなにができるのかと自問自答し、そこでたどり着いたのが「表現をすることだけにとらわれてしまい、雁字搦めにならないこと」でした。

思い返せば、幼いころからCDが擦り切れるほど聴き、音楽家としてのスタイルに憧れていた、ピアニストの高橋アキ先生が聴いて下さっていることが私にはあまりにも非現実的すぎて実感が湧いていませんでした。しかし、気持ちが固まった瞬間にコンクールや現代音楽であるというあらゆる概念から解き放たれ、自分自身の音楽が自然とできるようになっていました。

その結果、思いがけなく朝日現代音楽賞という素晴らしい賞をいただきとても幸せな気持ちです。この受賞を励みに、私は博物館に並ぶ素晴らしい骨董品のような、すなわち名曲を並べるだけでなく、知られていない作品の紹介や、委嘱や初演に携われるピアニストになりたいと思います。

 

▼佐藤 祐介(さとう ゆうすけ)

福島県出身。12歳よりピアノを始め、15歳でデビューリサイタルを開催。UFAM国際音楽コンクール第2位、三善晃ピアノコンクール、チェコ音楽コンクール第1位。第15回浜松国際ピアノアカデミーにおいて、中村紘子等のマスタークラスを受講。昭和音楽大学コンチェルト定期演奏会のソリストに選抜されプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番作品16を演奏。現在、大森ひろみに師事。これまで、故安藤友候、江口文子、杉谷昭子、平間百合子、藤原由紀乃、本尾かおる、柳川守に師事。

本選演奏曲:

権代敦彦/無常の鐘 ピアノのための(2009)
鈴木純明/”Impromptu” pour piano solo(2007)
William BOLCOM/Nine Bagatelles(1996)