第32回現音作曲新人賞 募集要項

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審査員長:金子仁美 審査員:鈴木純明・山本裕之

●テーマ:弦楽四重奏

2015年度の作曲新人賞の募集は、弦楽四重奏作品がテーマです。歴史的に見ても数々の名曲が生まれたこの編成で、21世紀の若い世代が、この厳格な編成にどう向き合い、個々の表現をどう音にするのか、大いに期待しています。(金子仁美)

●楽器編成:弦楽四重奏(2ヴァイオリン、1ヴィオラ、1チェロ)

●演奏時間:15分以内

●応募期間:2015年5月1日(金)~9月1日(火)午後5時まで(持参可)。

●応募資格:年齢、国籍は問わない。但し、過去の現音作曲新人賞受賞者、日本現代音楽協会会員は応募できない(準会員は応募可)。

●応募方法:下記提出物をまとめて送付または持参すること。

1. 応募作品総譜3部
2. 応募申込用紙(ダウンロード、もしくは任意の用紙に以下の項目を記入)
(1) 氏名(日本字とローマ字両方で表記)
(2) 生年月日(西暦)
(3) 略歴(和文)
(4) 作品名(原題および英語表記)
(5) 及び作曲年(西暦)
(6) 作品解説(和文)
(7) 楽器編成
(8) 演奏所要時間(分秒)
(9) 住所、連絡先電話番号、FAX番号、E-mailアドレス
3. 返信用封筒:審査結果を通知します。長3型(235mm x 120mm)の封筒の表に応募者の住所、氏名を明記し、82円切手を貼付のこと)
4. 参加料(下記)振込用紙のコピー

●参加料:1曲につき1万円。振込手数料を負担の上、下記口座に振込むこと。
三井住友銀行 目白支店 普通 6360842 口座名義「日本現代音楽協会」

●応募先:日本現代音楽協会「現音作曲新人賞」係(下記参照)

●応募に際しての注意事項
a. 応募作品は公開演奏会に於いて未発表であること。
b. 一人が複数作品を応募提出することは可とする。
c. かつて当賞に応募した作品であっても、入選作でなければ再応募可。
d. 作品総譜に、応募申込書への記入と同様に、作品名と作曲者名を明記すること。
e. 楽譜は、黒色の表記の鮮明なコピー、黒インクによるペン書きの表記、ノーテーションソフトを用いて作成しプリントアウトしたもの、それらのいずれかであること。
f. 一旦提出された楽譜の内容の変更や追加は認めない。
g. 万一の事故に備えて、作曲者は応募作品の控えを必ず保管すること。
h. 応募した資料は原則として返却されない。返却希望者は、予め返却費用を添えて、事前に申し出ること。
i. 一旦納入された参加料は、いかなる理由があっても返金されない。

●問合せ:要項の内容に関して不明な点は、文書(E-mail、FAX、郵送等)にて、日本現代音楽協会宛に問い合せること(氏名、連絡先を明記のこと)。

●審査:譜面審査により入選作品4曲程度を選出する(入選作品は9月中旬にウェブサイトで発表。応募者には事前通知)。入選作品は下記の演奏会に於いて演奏し入賞作品を決定する。

〈現音・秋の音楽展2015〉「第32回現音作曲新人賞本選会」
【日時】2015年11月12日(木)19:00開演(18:30開場)予定
【会場】渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホール
【演奏】Vn.佐原敦子・小杉結、Va.阿部哲、Vc.豊田庄吾/Vn.甲斐史子・松岡麻衣子、Va.般若佳子、Vc.宮坂拡志
◎第1部:招待作品と委嘱作品
福士則夫/Calling for string quartet(作曲2013年)
南 聡/委嘱新作(作曲2015年/初演)
◎第2部:入選作品演奏審査

●表彰
⇒【現音作曲新人賞】同賞の第32回目の受賞者となり、表彰式において賞状と賞金15万円が授与される(受賞者複数の場合は分割授与)。また日本現代音楽協会に入会を希望する場合には入会審査が免除される。
⇒【富樫賞】審査員が富樫賞にふさわしいと判断した作品に贈られる審査員奨励賞。表彰式において、賞状と賞金10万円が授与される(受賞者複数の場合は分割授与)。

●発表:以上の表彰についての発表は、本選会終了時に行う。

 

▼申し込み・問い合わせ先
日本現代音楽協会「現音作曲新人賞」係
〒141-0022 東京都品川区東五反田2-5-7山市ビル501
Tel: 03-3446-3506 Fax: 03-3446-3507 E-mail: 80th (a) jscm.net
Web: www.jscm.net 開局時間:月〜金10〜17時(祝祭日除く)

【現音共催】レクチャー&ワークショップ「作曲家ホセ・ラファエル・スビア氏を迎えて」

南米エクアドルで電子音楽の活動を展開する作曲家・スビア氏が来日、5月28日(木)に洗足学園音楽大学(溝の口)でレクチャーとワークショップを行います。南米の電子音楽に触れるまたとないチャンスです。

詳しくはこちら。

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Web版 NEW COMPOSER Vol.3

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Vol.3  2015.4.6

 お待たせいたしました。Web版『NEW COMPOSER』第3号をお送りいたします。
今回は、今年の2月から3月に渡って開催された〈現代の音楽展2015〉の報告レポートをお送りいたします。
どうぞご覧下さい。

NEW COMPOSER編集室長 山内雅弘

 

—– C O N T E N T S —–

現音作曲新人賞・山本雄一さんに聞く「親しみやすい現代音楽」

第31回現音作曲新人賞本選会ゲネプロの様子

第31回現音作曲新人賞本選会ゲネプロの様子

 

同世代の仲間たちと“親しみやすい現代音楽”を目標に自主企画開催!

 

日本現代音楽協会(現音/以下G)2014年に現音作曲新人賞を受賞した「あの曲」を、3月19日にご自身が企画するコンサートで再演されるそうですね!現音も後援させていただいていますが、今回のコンサートについて教えて下さい。

第31回現音作曲新人賞山本雄一さん

第31回現音作曲新人賞山本雄一さん

山本雄一(以下Y)はい。芸大作曲科の友人達と共に演奏会を3月19日に企画しているのですが、今回は出来るだけ多様な作品を集めて発表してみようと思い、その音楽のコレクションを「展覧会」のように楽しんで頂きたく、MUSE EXPO 2015というタイトルにしました。
また、今回の演奏会では“親しみやすい現代音楽”の提供を目標としていまして、その実現の為に、ステレオタイプ的な現代音楽に凝り固まらないのは勿論の事、演奏会全体を「五感」で楽しむことが出来るような仕掛けを様々に施しています。ですので、「現代音楽なんか嫌いだ!」という方にこそ、是非ご来場して頂きたいと考えております。

G 2台のピアノを3名で演奏するあの作品、新人賞本選会では東京音大の教授も務める藤原亜美さん・菊地裕介さん・篠田昌伸さんが初演しましたが、今回は同世代の仲間が再演しますね。

Y そうですね。今回の演奏については、学生であるという事も勿論大きな違いなのですが、更に言うと、今回のピアニストは実は3人とも作曲科の学生なのです。
初演の演奏者では篠田さんも作曲家であられますが、今回は全員、歳の近い作曲家ですので、ライバルに作品の稚拙な部分を細かく読まれている気がするとなんだか少しプレッシャーには感じます。
ただ、やはりみんな作曲家ですので、「どのように弾くと作曲者の表現したいことが表現出来るか」ということを主観的に捉えてくれるのではないかと期待しています。

11068352_1068226219860519_1907287802_oG 今回の企画には現音の理事でもある三枝成彰さんからメッセージを頂いていますね。三枝理事は2007年度に現音の芸術監督を務め、年間テーマとして「芸術音楽に大衆性は必要か!?」というテーマを打ち出しました。そのテーマを元に現音会員の作曲家が新作を作曲し、それこそ今回の山本さんの新曲のように、初音ミクを使った作品もありました。今回の“親しみやすい現代音楽”というテーマはどういった思いや気持ちを持って臨まれていますか?

Y こんな事を言うと怒られてしまうかもしれませんが、今回あえて“親しみやすい現代音楽”を目指したのは、私自身「理解されなくて良い」、あるいは「理解しない聴衆が悪い」という態度や風潮に疑問を感じたからです。
「理解され、楽しまれること(エンターテインメント)」を第一義として創作することは芸術としての本質から乖離するとは思いますが、しかしそれは「理解されたら芸術ではない」とは結びつきません。
正直に言うと、分かりやすさや親しみやすさはそんなに大きな問題ではありません。ただ、私達七音会の提供するMUSE EXPO 2015は、聴衆に理解され、鑑賞される可能性を最後まで捨てません。
今回来場される全てのお客様に、どれか一曲でも気に入って頂けるよう、七音会一同、“総力戦”で制作致します。

G 2015年度の現音作曲新人賞は「弦楽四重奏」が募集テーマで、前回の「ピアノ」もそうですが、歴史的にも名曲が多いです。新しい世代の作曲家がどんな表現を生み出してくれるかとても楽しみですが、山本さんにとって弦楽四重奏というとどういうイメージでしょうか?

Y 私にとって弦楽四重奏という編成は、生まれて初めて書いた現代音楽の編成であり、とても特別な物です。
その作品は2年ほど前の物なのでそんなに古い過去ではありませんが、今から聴き返すと耳を覆いたくなるような稚拙さです。しかしながら、聴き返す度に、自分の作品に流れる精神性は処女作から変わらないことを再確認し、自分の創作の道しるべとなっています。いつか機会を見つけて、またこの編成で成長した自分の音楽を書こうと思います。
2015年度の現音作曲新人賞をとても楽しみにしています。

G 弦楽四重奏作品も含めて、今後の活動を楽しみにしています!ありがとうございました!

 

2015年度第32回現音作曲新人賞募集要項はこちら

 

MUSE EXPO 2015
2015年3月19日(木)18:30開演(18:00開場)
葛飾シンフォニーヒルズ「アイリスホール」京成線「青砥」駅下車

11071859_1068226213193853_1942556717_o中島夏樹/Alpha (Marginal mix)
橋本歩実/水彩クレパス for guitar and marimba
藤川大晃/『倭をぐな』による4つの歌、Space(s)
山中麻鈴/Clown
山本雄一/2台のピアノと3人の奏者の為のコスモフォニー、ミクリズム
水上颯葵/色香馥郁たる内に
浦部雪(作曲、指揮・会員)/Réflexion

出演:長谷川道将(尺八)八木瑛子(フルート)石井智章(オーボエ)田村知子(クラリネット)石井野々香(ファゴット)上野耕平(サクソフォン)山田唯雄(ギター)濱野杜輝(バリトン)善養寺彩代(ピアノ)松岩沙季(マリンバ)沓名大地(打楽器)石井智大・原田真帆(ヴァイオリン)對馬時男(ヴィオラ)三谷野絵(チェロ)中島夏樹(DJ)他

チケット:前売 1500円/当日2000円(全席自由)
イープラスで購入

▼お問い合わせ
museexpo2015(a)gmail.com
070-6966-5319(代表:浦部)

主催:七音会
後援:日本現代音楽協会、日仏現代音楽協会、日本芸術連盟、club willbe、ヤマハ音楽振興会

〈現代の音楽展2015〉第1夜「世界に開く窓 百留敬雄ヴァイオリンリサイタル」2月3日(火)東京オペラシティリサイタルホールで開催

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〈現代の音楽展2015—演奏家と創造の現在〉第1夜
世界で活躍する日本人音楽家シリーズvol.3
世界に開く窓 百留敬雄ヴァイオリンリサイタル
制作:国際部・福井 とも子

2015年23日(火)18:30開場/19:00開演|東京オペラシティリサイタルホール

世界各地で出会う日本人音楽家の中には、そこでの信頼を得て、確かなる存在感を放っている人達が少なからずいる。素晴らしい活躍をしているのに、その情報がなかなか日本に伝わって来ないのは、とても残念なことである。数年前にそういう音楽家達を、謂わば逆輸入のような形で紹介してみようと始まったのがこのシリーズ。第3回目となる今回は、ベルギーを拠点に活動を続ける若手ヴァイオリニスト、百留敬雄を紹介する。2003年19歳でオランダに渡り、以来ずっと在欧し研鑽を積んできた。彼もまた数カ国語を操り、言葉の壁というストレスもなく、ボーダレスに飛び回っている。通常のヴァイオリンに加えて、5弦ヴァイオリンが扱えるという強みもある。国籍を問わず、様々な作曲家や作品について常にアンテナを張り、情報通である百留に、これまで同様、今回も旬な情報を提供してもらうことになっている。百留が選んだのは、日本でも人気の高い作曲家ジョルジュ・アペルギス(ギリシャ出身)のエレクトロニクス作品と、百留の技を熟知するオランダ時代からの旧友、マテウ・マロンドラ(スペイン出身)のサブハーモニクスを伴った作品、そしてさらにロシアの中堅として注目を集めているドミトリー・クルリャンツキー。クルリャンツキーは、まだ日本ではあまり知られていないが、ガウデアムス作曲賞等の受賞によりヨーロッパでの認知度が高まった。ノイズを構造化しながら強いインパクトを与える作風は、ロシアの若手作曲家達にも大きな影響を及ぼしているものと思われる。ここに参戦する日本の作曲家は、日本現代音楽協会会員の佐井孝彰三枝木宏行、そして徳永崇。佐井と三枝木(エレクトロニクスを伴った作品)は百留のために書いた新作、徳永は5弦ヴァイオリンの為に改作した作品である。さらに今回は一般公募を行い、この演奏会のための新作を募集した。選ばれたのは、若手作曲家として、このところ活躍目覚ましい黒田崇宏である。これら日本人の作品が、百留によって、また世界のどこかで再演されるであろうことも、この企画の狙いの1つである。

日本現代音楽協会 国際部長:福井とも子

 

ジョルジュ・アペルギス
The only line*
作曲2008年/日本初演

ドミトリー・クルリャンツキー
prePositions
作曲2008年/日本初演

マテウ・マロンドラ
Apposition II (figures of disorder)
作曲2014年/日本初演

黒田 崇宏
Two bows
作曲2014年/世界初演

佐井 孝彰
巡礼 II 〜独奏ヴァイオリンのために
作曲2014年/世界初演

三枝木 宏行
Mirage un paysage lyrique d’après Edogawa Rampo – 江戸川乱歩に拠る叙情的風景*
作曲2014年/世界初演

徳永 崇
How to embroider Ib
作曲2014年/世界初演

※演奏順は変更となる場合があります。

演奏:百留 敬雄(ヴァイオリン) 有馬 純寿(エレクトロニクス)*

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■チケット(全自由席)
前売一般 2,500円
前売学生 1,500円
当  日 3,000円(一般学生共通)
※学生券は日本現代音楽協会のみの取り扱いとなります。
※未就学児はご入場になれません。

東京オペラシティチケットセンター
[電話受付]10:00-18:00
03-5353-9999
[カウンター受付]11:00-19:00
東京オペラシティビル3F

東京文化会館チケットサービス
[電話受付]10:00-19:00
03-5685-0650
[インターネット受付]
http://www.t-bunka.jp/ticket/

日本現代音楽協会
[電話受付]10:00-17:00
03-3446-3506
[メール受付]
gendai2015(a)jscm.net

 

【主催】日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
【助成】アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション
【後援】一般社団法人日本作曲家協議会

 

1hyakutome_ura百留 敬雄  Takao HYAKUTOME, violin
北海道札幌市出身。4歳で村山英孝氏のもとでヴァイオリンの演奏を始め、後に市川映子女史、水野佐知香教授に師事する。オランダのマーストリヒト音楽院を経て、ベルギーの王立アントワープ音楽院修士課程を最優秀の成績で卒業。同音楽院でヴァイオリンと室内楽をディルク・ヴェルエルスト教授に、作曲をヴィム・ヘンデリックス教授に師事。在学中はロビー・ラカトシュ氏の楽団の一員としてヨーロッパ各地で演奏し、ジプシーやクレズマーの音楽、ジャズなどに親しむ。ヨーロッパ各地のコンクールで優勝・上位入賞し、現在はベルギーを中心にソロまたはシャンダクション、イクトゥス、ディスコードワークショップなどの現代音楽アンサンブルの一員として活動中。また、ヴァイオリンの特殊奏法の研究・レクチャーも行い、多くの作曲家から高く評価されている。1910年、トリノ、エドアルド・マルケッティのヴァイオリン、並びに2010年、コンコード、ジョン・ジョーダン作のエレキ5弦ヴァイオリンを使用。

有馬 純寿 Sumihisa ARIMA, electronics
1965年生まれ。エレクトロニクスやコンピュータを用いた音響表現を中心に、現代音楽、即興演奏などジャンルを横断する活動を展開。ソリストや室内アンサンブルのメンバーとして多くの国内外の現代音楽祭に参加し、300を超える作品の音響技術や演奏を手がけ高い評価を得ている。第63回芸術選奨文部科学大臣新人賞芸術振興部門を受賞。2012年より国内外の現代音楽シーンで活躍する演奏家たちと現代音楽アンサンブル「東京現音計画」をスタート、その第1回公演が第13回佐治敬三賞を受賞した。現在、帝塚山学院大学人間科学部准教授。

 

 

▼現代の音楽展2015 日程

2/15(日)18:00
西川竜太の啓く現代合唱の世界〜第21回朝日現代音楽賞受賞記念演奏会
浜離宮朝日ホール 音楽ホール

2/22(日)16:00
平田英治サクソフォンリサイタル〜Focus on saxophone!
ドルチェ楽器大阪 アーティストサロン

3/10(火)19:00
上野信一&フォニックス・レフレクション演奏会
渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホール