第33回現音作曲新人賞に伊藤彰さん

前列左から、原島拓也(入選)、池田萠(入選)、増田建太(富樫賞)、伊藤彰(第33回現音作曲新人賞・聴衆賞)。後列左より、佐藤昌弘日本現代音楽協会事務局長、福井とも子審査員、新垣隆審査員、富樫敏子さん、山本裕之審査員長、福士則夫日本現代音楽協会会長。

 

審査結果の発表をする山本裕之審査員長

日本現代音楽協会(会長:福士則夫)は、2017年3月3日(金)18:00より、渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホールに於いて〈現代の音楽展2017〉「第33回現音作曲新人賞本選会」(審査員長:山本裕之、審査員:新垣隆、福井とも子)を開催し、譜面審査会において入選した4作品の演奏審査を行いました。
厳正な審査の結果、伊藤彰(いとう・あきら/1991年福岡県生まれ)さんの《好奇心ドリブン》が2016年度「第33回現音作曲新人賞」に選ばれました。
演奏、審査に続いて表彰式が行なわれ、福士則夫日本現代音楽協会会長より、賞状と賞金15万円が授与されました。
「富樫賞」は増田建太(ますだ・けんた)さんの《樹に窓を見る》が選ばれました(賞金10万円)。
また聴衆賞には伊藤彰さんの同作品が選ばれました。
なお、来年度の「第34回現音作曲新人賞」は、南聡日本現代音楽協会理事が審査員長を務め、募集要項は後日当協会ウェブサイトで発表します。

 

「富樫賞」…審査員が今後に期待する新人に贈る審査員特別賞。2005年度、音楽評論家であり、日本現代音楽協会賛助会員でもあった故・富樫康さんの業績を讃え、ご遺族の篤志により日本現代音楽協会が設立しました。2016年度をもって終了。

 

※応募総数18作。一次審査:2016年11月25日(金)17時〜

 

伊藤彰(左)福士則夫日本現代音楽協会会長

第33回現音作曲新人賞本選会結果
2017年3月3日[金]18:00開演 渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホール

■第33回現音作曲新人賞
賞状、賞金15万円、現音入会資格の認定
伊藤 彰(Akira ITO)
《好奇心ドリブン》
演奏:田村法子(二十絃箏) 山田岳(ギター) 甲斐史子(ヴィオラ)

■富樫賞(賞状、賞金10万円)
増田 建太(Kenta MASUDA)
《樹に窓を見る》
演奏:吉原佐知子(十三絃箏) 岩瀬龍太(クラリネット)

■入選(表彰状)
池田 萠(Moe IKEDA)
《硝子妄想(と、その解決)》
原島 拓也(Takuya HARASHIMA)
《極彩ドロップ No.2》

■聴衆賞(賞状)
伊藤 彰(Akira ITO)
《好奇心ドリブン》

※入選者は本選演奏順に記載してあります。全作新作初演。

第33回現音作曲新人賞本選会+現音絃邦楽器作品展「邦楽・絃楽プロジェクト」3月3日(金)渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホールで開催!

 

〈現代の音楽展2017〉
邦楽・絃楽プロジェクト

2017年33日[金] 18:00開場 18:30開演
渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホール

 

▼第一部 第33回現音作曲新人賞本選会

テーマ:邦絃楽器

伊藤 彰/好奇心ドリブン (作曲2016年初演)
田村 法子(二十絃箏) 山田 岳(ギター) 甲斐 史子(ヴィオラ)

増田 建太/樹に窓を見る (作曲2016年初演)
吉原 佐知子(十三絃箏) 岩瀬 龍太(クラリネット)

池田 萠/硝子妄想(と、その解決) (作曲2016年初演)
竹澤 悦子(中棹三味線)

原島 拓也/極彩ドロップ No.2 (作曲2016年初演)
野澤 徹也(中棹三味線) 野澤 佐保子(十七絃箏) 多久 潤一朗(フルート)

◎審査員:山本 裕之(審査員長) 新垣 隆 福井とも子

来場者による“聴衆賞”投票実施! 第二部演奏終了後講評、審査結果発表

 

▼第二部 邦絃楽器へのアプローチ

松尾 祐孝/歳時記 (作曲2014年)
伊藤 純子・中村 祐子・藤本 はるか(琵琶)

堀 悦子/曙光冴ゆ〜三絃独奏のための (作曲2009年)
野澤 徹也(三味線)

伊藤 高明/筑前琵琶と二十絃箏のための 雫 (作曲2016年初演)
藤高 理恵子(琵琶) 田村 法子(二十絃箏)

角 篤紀/飛天慟哭 (作曲2015年)
田原 順子(琵琶)

橋本 信/エタミーヌⅡ (作曲2016年初演)
山口 賢治(尺八) 山崎 千鶴子(太棹三味線) 石垣 清美(十七絃箏)

山中 千佳子/To a Sanctuary (作曲2015年)
甲斐 史子(ヴィオラ) 吉原 佐知子(十三絃箏) 野澤 佐保子(十七絃箏)

 

■チケット 全席自由
前売一般 2,500円 前売学生 1,500円
当日 3,000円
※就学前のお子様のご同伴・ご入場はご遠慮下さい。
※演奏順、曲名は変更となる場合が有ります。

日本現代音楽協会
[電話受付]月-金 10:00-17:00
03-3446-3506
[メール受付]
gendai2017(a)jscm.net ※(a)を@に変えて送信してください。

【主催】日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
【助成】一般社団法私的録音補償金管理協会(sarah)
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)
【後援】一般社団法人日本音楽作家団体協議会(fca)
一般社団法人日本作曲家協議会

現音作曲新人賞入選者からのメッセージ〜原島拓也

皆様、ごきげんよう。初めまして。この度、第33回現音作曲新人賞に入選致しました原島拓也と申します。このような素敵な演奏会に参加出来る事を心から嬉しく思っています。

私は日頃から感覚に基づいて「音」を描いています。「極彩ドロップ」は私の愛玩物です。私の心の奥底、万華鏡に香水を吹き付けた様な世界に存在するキラキラの集合体です。カタチは、その時の気分や体調によりけりで、とても小さな蝶々の群のようだったり、金平糖のようであったり様々なのですが、大抵は水玉模様として私と一緒にいます。詳しい事はプログラムに記載させて頂いておりますので、来たる3月3日、和洋混成三重奏でお届けする「No.2」を、皆様に楽しんで頂けたら嬉しいです。

私事ではありますが、今回の本選会はとてもご縁に恵まれた出来事だと思っています。1つは、私はずっと邦楽器に儚い憧れを抱いておりましたが、なかなかアプローチすることが出来ない日々を過ごしておりました。今回の新人賞のテーマが「邦絃楽器」となり、これはチャンスかも知れないと自分に言い聞かせ、思い切って飛び込めた事で、邦楽器に触れて多くの事を学べた事です。そして、より深く勉強していきたいと改めて実感しました。そして、もう1つは、第二部にて作品を発表される伊藤高明先生が現代音楽に触れるきっかけを作ってくださった方で、まさかこんなところで会えるなんて!と思った事です。今からとても楽しみです!

皆様のご来場、心よりお待ちしております。

2017年1月10日に上野学園大学短期大学部の同期と開いた新春コンサートの様子

 

〈現代の音楽展2017〉
邦楽・絃楽プロジェクト

2017年33日[金] 18:00開場 18:30開演
渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホール

 

▼第一部 第33回現音作曲新人賞本選会

テーマ:邦絃楽器

伊藤 彰/好奇心ドリブン (作曲2016年初演)
田村 法子(二十絃箏) 山田 岳(ギター) 甲斐 史子(ヴィオラ)

増田 建太/樹に窓を見る (作曲2016年初演)
吉原 佐知子(十三絃箏) 岩瀬 龍太(クラリネット)

池田 萠/硝子妄想(と、その解決) (作曲2016年初演)
竹澤 悦子(中棹三味線)

原島 拓也/極彩ドロップ No.2 (作曲2016年初演)
野澤 徹也(中棹三味線) 野澤 佐保子(十七絃箏) 多久 潤一朗(フルート)

◎審査員:山本 裕之(審査員長) 新垣 隆 福井とも子

来場者による“聴衆賞”投票実施! 第二部演奏終了後講評、審査結果発表

 

▼第二部 邦絃楽器へのアプローチ

 

■チケット 全席自由
前売一般 2,500円 前売学生 1,500円
当日 3,000円
※就学前のお子様のご同伴・ご入場はご遠慮下さい。
※演奏順、曲名は変更となる場合が有ります。

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現音作曲新人賞入選者からのメッセージ〜池田萠

リハーサルにて(三味線:竹澤悦子)

《邦楽器について》
言うまでもないことですが、日本人だから世界に誇れるような邦楽器の魅力的な楽曲を書ける、ということは決してありません。特に、西洋芸術音楽に特化した専門教育を受けた私たちにとっては、邦楽器はむしろどこか遠い国の民族楽器のように感じるのが正直なところではないかと思います。そういう意味では、日本人にとってはピアノのほうがよっぽど身近ですね。

本作品を作曲する過程でほんの少し覗くことができた邦楽の世界は、これまで知っていた音楽の感じ方とはかなり異なり、これがカルチャーショックか!と驚きました。昨年の4月から地歌三味線を習っているのですが、どうやって歌のフレーズを覚えたらよいのか、未だによく分かりません。西洋的な「普通のメロディー」を覚える感覚では上手くいかないようです。さらにずぶずぶハマっていけそうです。だから音楽は楽しい、と思います。

《竹澤悦子さんについて》
私の地歌三味線生演奏初体験は、今回の演奏者の竹澤悦子さんによる演奏でした。曲は、劇団木ノ下歌舞伎主宰の木ノ下裕一さん作詞、野村誠さん作曲の「狸囃子」。圧倒的な存在感の声と糸の音色にグッときました。その憧れの竹澤さんに自分の曲を演奏していただける、という知らせを受けた時、信号待ちの路上でヒー!と変な声が出ました。ちなみに、私から演奏家のリクエストなどは一切していません。夢には見たけどまさかそんなことがあるなんて……。10年分くらいの幸運を使い果たしたかもしれません。

《審査について》
山本裕之さん、新垣隆さん、福井とも子さんという心をくすぐられる素晴らしい作曲家の方々に審査をしていただけるということ、とても幸せに思います。作曲家がどのような価値基準で音楽を考えているのかを知ることは、とても刺激的です。どんな結果を皆さんが出すのか、ワクワクしています。(なんて言うと生意気に映ると思うのですが。)

 

 

〈現代の音楽展2017〉
邦楽・絃楽プロジェクト

2017年33日[金] 18:00開場 18:30開演
渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホール

 

▼第一部 第33回現音作曲新人賞本選会

テーマ:邦絃楽器

伊藤 彰/好奇心ドリブン (作曲2016年初演)
田村 法子(二十絃箏) 山田 岳(ギター) 甲斐 史子(ヴィオラ)

増田 建太/樹に窓を見る (作曲2016年初演)
吉原 佐知子(十三絃箏) 岩瀬 龍太(クラリネット)

池田 萠/硝子妄想(と、その解決) (作曲2016年初演)
竹澤 悦子(中棹三味線)

原島 拓也/極彩ドロップ No.2 (作曲2016年初演)
野澤 徹也(中棹三味線) 野澤 佐保子(十七絃箏) 多久 潤一朗(フルート)

◎審査員:山本 裕之(審査員長) 新垣 隆 福井とも子

来場者による“聴衆賞”投票実施! 第二部演奏終了後講評、審査結果発表

 

▼第二部 邦絃楽器へのアプローチ

 

■チケット 全席自由
前売一般 2,500円 前売学生 1,500円
当日 3,000円
※就学前のお子様のご同伴・ご入場はご遠慮下さい。
※演奏順、曲名は変更となる場合が有ります。

日本現代音楽協会
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現音作曲新人賞入選者からのメッセージ〜増田建太

皆様、初めまして、《樹に窓を見る》を作曲しました増田建太と申します。

この作品は、十三絃箏とソプラノクラリネットのための作品で、私にとって貴重な邦楽との出会いでした。というのも、お恥ずかしいことながら、今まで邦楽に触れる機会がほとんどなかったからです。なぜ十三絃箏を選んだのかといますと、偶然にも曽祖母が嗜んでいた十三絃箏が自宅に眠っていたのを思い出したからです。自分で触ることから邦楽の幅広い世界の入り口を見ることとなりました。

この作品は文化的背景を異にする2つの楽器を美学的に融合させることを考えて作曲しました。その融合という目標にむけて、音響上の合致という手法の力も借りました。十三絃箏の調弦は、微分音程を含む特殊なものになっています。すると、よく聴かれるような日本的な音階は登場しなくなります。しかしそのような状況でも箏が持つ十分に独特な音の表情で、日本的な香りを得ることができると思います。今回はその香りの扱いについても考えました。

恐らく、音楽を聴いていただくことで、この感覚的な問題はご来場される皆様それぞれの頭の中で解決されると思います。ですので、御覧頂いている皆様にご来場いただけましたら幸いです。私自身も当日、あの個性溢れるプログラムの中でどのように聴こえるのか、楽しみにしているところです。

最後に、この素晴らしい機会を頂き、皆様には感謝申し上げます。本選会をお楽しみに!

 

 

〈現代の音楽展2017〉
邦楽・絃楽プロジェクト

2017年33日[金] 18:00開場 18:30開演
渋谷区文化総合センター大和田6F伝承ホール

 

▼第一部 第33回現音作曲新人賞本選会

テーマ:邦絃楽器

伊藤 彰/好奇心ドリブン (作曲2016年初演)
田村 法子(二十絃箏) 山田 岳(ギター) 甲斐 史子(ヴィオラ)

増田 建太/樹に窓を見る (作曲2016年初演)
吉原 佐知子(十三絃箏) 岩瀬 龍太(クラリネット)

池田 萠/硝子妄想(と、その解決) (作曲2016年初演)
竹澤 悦子(中棹三味線)

原島 拓也/極彩ドロップ No.2 (作曲2016年初演)
野澤 徹也(中棹三味線) 野澤 佐保子(十七絃箏) 多久 潤一朗(フルート)

◎審査員:山本 裕之(審査員長) 新垣 隆 福井とも子

来場者による“聴衆賞”投票実施! 第二部演奏終了後講評、審査結果発表

 

▼第二部 邦絃楽器へのアプローチ

 

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前売一般 2,500円 前売学生 1,500円
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【主催】日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
【助成】一般社団法私的録音補償金管理協会(sarah)
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