ボストンも紅葉が見頃で、街全体が美しく秋色に染まっています。マーケットにはリンゴやクランベリー、そしてハロウィンに向けて巨大なカボチャが並び、これから10月のハロウィン、11月の感謝祭、12月のクリスマス・・と、寒さと共にお祭りムードが高まってくる時期です。
昨年末まで1年半、バークリー音楽院でFilm Scoringを専攻していたのですが、授業内容はもちろんのこと、授業以外にも様々に勉強になることがありましたので、少しずつ書かせて頂けたらと思います。
1. カリキュラム
私はディプロマコースに在籍していたのですが、ディプロマコースも大学コースと同じようなカリキュラムがしっかりと決まっていました。専攻したいコースに進むために、必修の授業を履修するか、該当する免除試験に受かることが必要でした。(音大出身者は初めから免除される授業もあります) 日本とイギリスで私が学ばせて頂いた大学卒業後のコースは、専攻の個人レッスンやグループレッスン、ワークショップなどが中心だったのですが、こちらは皆がソルフェージュや和声、理論など、基礎的なことを改めてきっちり学んでから各自の専攻に分かれていくようになっています。確かにバークリーは様々な国から、あらゆる音楽のバックグラウンドを持った学生さんが集まっているので(留学生は1/4近くを占めるそうです)、1度皆で共通の音楽言語を共有することの大切さを実感しました。美大でも、イギリスの大学院は実践・制作中心なのと違って、アメリカでは大学院も基礎のデッサンから学ぶと聞いたことがありますので、アメリカの単科大学院にはそうした傾向もあるのかもしれません。
2. 入学試験
入試は、大学コースもディプロマコースも共通の内容で、願書・小論文の提出、その後に実技オーディションと面接でした。実技オーディションは各自の専攻の楽器で行われ、自由曲/自作曲(がある受験生のみ)/初見(大譜表・コードネーム)/リズム打ち/弾き返し(先生が弾いたものと同じものを弾き返す、聴音に該当するようなものでした)の5つで行われました。また、入学後に4つの試験(Arranging/Ear Training/Harmony/Music Technology)があり、それぞれ4段階のクラスに振り分けられます。
3. コース
学期は4ヶ月ごとに、春、夏、秋学期と分かれており、次の学期も継続して登録するか、翌学期は休みにするかなど、各自に委ねられています。(普段は自国でお仕事をしており、毎年長めに夏休みをとって、夏学期に履修にしにくる方もいました) 3学期目の終わりまでには自分の専攻を決めて申請します。専攻はComposition、Electronic Production and Design、Film Scoring、Music Education、Music Production and Engineeringなど、12コース用意されています。また、専攻とは別に楽器の個人レッスンも必修です。学期のちょうど折り返しの頃にMidterm、学期末にFinalと、2回の試験週間があります。提出、演奏、試験など形は様々ですが、この時期は図書室もコピー室もコンピュータールームも大混雑。皆楽譜や楽器を持って、忙しくも元気に駆けまわります。作曲/編曲作品の音源を提出する課題もあるのですが、このためにproject bandという演奏専攻の学生さんたちと、Music Engineeringを専攻し、録音技術を磨いている学生さんたちが予約制で録音スタジオで待機してくれています。こちらも興味深いシステムでしたので、また次回、このproject bandや授業について書かせて頂きます。
最後に、先日教えてもらったBobby McFerrinのステキな動画を・・♪
(2011.10.22.)