世界に開く窓 エレクトロニクスの新展開 作曲家シュテファン・プリンス初来日 11月5日(月)牛込箪笥区民ホールで開催

 

 

〈現音・秋の音楽展2018〉
世界に開く窓 エレクトロニクスの新展開 作曲家シュテファン・プリンス初来日
制作:国際部・福井とも子

2018年115日(月)18:30開場/19:00開演|牛込箪笥区民ホール(都営地下鉄大江戸線「牛込神楽坂」駅A2出口前)

2014年ポーランドで催された国際現代音楽協会(ISCM)の音楽祭〈World New Music Days〉で、シュテファン・プリンスの作品《Piano Hero #1》が演奏された。当時プリンスは、若手ながらもすでに注目される作曲家であったが、ライブ・エレクトロニクスと映像を伴ったこの作品は、大きな話題となり、その年のISCM Young Composers Awardを受賞した。聴衆の多くは、たとえテクノロジーに関する専門的な知識がなくても、大胆な音とトリッキーな映像によって、釘付けにされたのである。「世界に開く窓」では、プリンス氏の代表作の1つである《Piano Hero》1番と4番(映像付き)、また小気味好いノイズが作品を貫く《Fremdkörper》を上演する。Piano Hero2曲を演奏するのは、ドイツ在住のピアニスト中村麗。中村は近年、エレクトロニクス音楽の演奏に力を注いでいる。演奏する側も、ある程度専門性や経験を要求されるこの分野で、中村は貴重な存在だと言えよう。日本の作曲家としては、2017年ISCMバンクーバー大会に入選した小島有利子萊孝之、そして規範にとらわれず独自の音楽を追求する蒲池愛(いずれも現音会員)が参戦する。プレトークでは、初来日するプリンス氏と日本の出品作曲家達とが、自作について語る予定である。 作品にエレクトロニクスを用いるかどうかは、もはや特別なことではなく、表現の幅を広げる1つのツールとして認識されつつあるのは、世界的な傾向であろう。この演奏会に登場する様々なタイプの作曲家達が、現代に於いて、どのような立場でテクノロジーや音楽と向き合っているのか、彼らの作品を通して、音楽の今に迫りたいと思う。(制作:国際部長 福井とも子)

 

18:30〜 作曲家によるプレトーク

蒲池 愛/dent-de-lion(作曲2017年)
accordion, live electronics

シュテファン・プリンス/Piano Hero #1(作曲2011-12年日本初演
midi keyboard, live-video, live electronics

小島有利子/新作(作曲2018年初演
piano, live electronics

シュテファン・プリンス/Piano Hero #4(作曲2016年日本初演
piano, midi keyboard, live-video, live electronics

萊 孝之/Discrete Transfer(作曲2012年)
piano, computer WNMD2017年バンクーバー大会入選

シュテファン・プリンス/Fremdkörper #1(作曲2008年日本初演
amplified fl, perc, el-gt, vc, 4ch soundtrack, live electronics

※曲順は変更となる場合があります。

演奏:中村麗(ピアノ) 有馬純寿(エレクトロニクス)
大田智美(アコーディオン) 永見竜生(エレクトロニクス)
朝川万里(ピアノ) 安井悠香子(ピアノ) 木ノ脇道元(フルート)
悪原至(打楽器) 山田岳(エレクトリックギター) 北嶋愛季(チェロ)

 

■チケット(全自由席)
前売一般 3,000円 → ネットで購入(クレジットカード、コンビニ決済、Pay-easy、銀行振込、キャリア決済)
前売学生 2,000円 → ネットで購入(クレジットカード、コンビニ決済、Pay-easy、銀行振込、キャリア決済)
当日一般及び学生 3,500円
※未就学児はご入場になれません。

日本現代音楽協会
[電話受付]03-6417-0393(10:00-17:00)

 

【主催】日本現代音楽協会(国際現代音楽協会日本支部)
【助成】一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)、公益財団法人ローム ミュージック ファンデーション 、ゲーテ・インスティトゥート
【後援】一般社団法人日本音楽作家団体協議会(fca)、一般社団法人日本作曲家協議会、ベルギー大使館、ベルギー研究会、ARTS FLANDERS Japan
【協力】有限会社ふぉるく、帝塚山学院大学情報メディア学科

 

関連イベント

▶︎シュテファン・プリンス レクチャー
10月30日(火)18:30|国立音楽大学合唱スタジオ

▶︎シュテファン・プリンス インプロヴィゼーション・ライヴ
11月3日(土)19:00|荻窪ベルベットサン

▶︎next mushroom promotion vol.14 個展
11月9日(金)19:00(プレトーク18:30)|大阪・豊中ローズ文化ホール

 


Stefan Prins
1979年ベルギー生まれ。ベルギーの大学(工学科)を卒業後、アントワープ王立音楽院にてピアノと作曲を学ぶ。リュック・ファン・ホーフェに師事し、マスターを最優秀で修了。その後、ブリュッセル王立音楽院にて音楽とテクノロジーをペーター・スウィンネンに師事し、ハーグ王立音楽院にてソノロジーを、アントワープ大学にて文化の哲学、テクノロジーの哲学を学ぶ。さらに、ハーバード大学にて作曲家ハヤ・チェルノヴィンに師事、博士号を取得。ナダール・アンサンブルのディレクターであり、エレクトロニクスを担当。即興演奏も盛んに行なっている。近年エレクトロニクス音楽の分野で最も注目を集める作曲家の1人で、若い世代からの人気も高く、その作品はヨーロッパの様々な音楽祭で上演され、多数のアンサンブルがレパートリーとしている。これまでに、KBCアクワリウス新人作曲家賞(2001ベルギー/ブリュッセル)、現代音楽週間作曲賞第2位(2006ベルギー/ゲント)、インパルス国際作曲賞(2009オーストリア/グラーツ)、ダルムシュタット国際現代音楽夏季講習会(ドイツ)シュタウバッハ賞(2009)、クラニッヒ・シュタイナー賞(2010)、ベルギー音楽記者組合によるヤング・ベルギー・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー(2012)、ISCM Young Composers Award(2014国際現代音楽協会“世界音楽の日々”音楽祭ヴロツワフ大会)、ベルリン芸術家賞(2016ドイツ/ベルリン)など、数々の賞を受賞している。