〈現音・秋の音楽展2015〉について
事務局長 佐藤昌弘
当協会主催の〈現音・秋の音楽展〉は、このところ、コンクールとアンデパンダン展の二本立てという形で定着しております。まずコンクールの方ですが、今年は奇数年ですので、偶数年開催の現代音楽演奏コンクール“競楽” はお休みで、現音作曲新人賞のみの開催となります。
第32回を数える今年の現音作曲新人賞の審査員は、金子仁美会員(長)、鈴木純明会員、山本裕之会員のお三方があたります。募集テーマは弦楽四重奏作品です。9月1日に募集を締め切ったところ、37作品という多数の応募がありました。近年では、佐藤 眞名誉会員が審査員長を務めた第29回のときの40作品応募に次ぐ多さです。9月15日に厳正なる譜面審査が行われ、本選会で上演される4作品が選ばれました。来る11月12日(木)の19時より、渋谷区文化総合センター大和田伝承ホールにて開催の『第32回現音作曲新人賞本選会』では、この新人賞候補作品4曲の公開演奏審査に加えて、現音会員の弦楽四重奏作品を2曲上演致します。福士則夫名誉会員の旧作と南 聡会員の新作がそれです。以上の6曲の弦楽四重奏作品を、東京藝大出身の若手演奏家によるカルテットと、桐朋学園出身の若手演奏家によるカルテットがそれぞれ3曲ずつ演奏を担当し、競演します。弦楽四重奏というオーソドックスな編成から、いかに新しい独自の世界を創り出すか、新人賞ファイナリストの方々の新作、福士作品の再演、南作品の初演にどうぞご期待下さい。
今年のアンデパンダン展は、11月18日(水)、19日(木)の両日にわたり、東京オペラシティリサイタルホールにて開催されます。開演は両夜とも18時30分です。制作は露木正登会員、橋本 信会員、森田泰之進会員ですが、お三方のプロデュースによって、今年の現音アンデパンダン展は従来よりも演奏会としての性格がかなりはっきりと打ち出されております。現音会員の自由出品展という点は従来通りなのですが、『いま聴く 生まれたての音符たち アンデパンダン展全2夜』というタイトルが銘打ち、新作もしくは最近作の上演に限ったところに大きな特色があります。第1夜に8作品、第2夜に9作品と、一挙に計17作品が上演されますが、うち16曲が2015年作の新作初演です。チラシには「あのクラシックの名曲も誕生時は最先端の音楽。2015年秋、〈現音〉発の最先端音楽と出会う二夜」というキャプションがうたわれていますが、未来の名曲がこの二夜のうちに生まれるかもしれません。その誕生の瞬間に、是非とも多くのお客様に立ち会って頂きたいと願っております。