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◎現代日本の作曲家シリーズ46 福井とも子『to the forest』
この7月に、フォンテックの「現代日本の作曲家」シリーズ第46集として、日本現代音楽協会副会長の福井とも子さんの作品集CD『to the forest』がリリースされました。
室内楽作品を収録した作品集です。収録曲は以下の7曲です。
- color song III (2013) (山田 岳:ギター)
- doublet + 1 (2012) (上田 希:クラリネット/亀井庸州:ヴァイオリン/山澤 慧:チェロ)
- Schlaglicht (2002) (デュオ・カプリッチョ~菅原幸子:ピアノ、木場具子:ヴァイオリン)
- to the forest I (2012)
- to the forest II (2012)(マルクス・クリード指揮、SWRシュトゥットゥガルト ヴォーカルアンサンブル、トリオアカント~マルコス・ヴァイス:サクソフォン/クリスチャン・ディアシュタイン:打楽器/菅原幸子:ピアノ)
- doublet (2010/2011) (亀井庸州:ヴァイオリン/山澤 慧:チェロ)
- Golden drop (2005) (中川賢一指揮、クラングフォーラム・ウィーン)
制作:フォンテック現代作品CD刊行委員会 助成:NOMURA野村財団
CDジャーナルで次のような紹介コメントが掲載されました。
「昨今の現代作品にはどこか耳あたりのよい響きが多勢の印象だが、これら福井作品は、高低突出した音域での特殊奏法による特異な音色へのこだわりが際立って、時流に交わらぬ独自の存在感がある。きしむ音、ざわざわとせめぐ音への偏好とでも言うべきか。いわば非情。実験精神旺盛な“音”が主目の音楽だ。」
このCDについて福井とも子さんからコメントを頂きました。
「初の作品集CDとなった「to the forest」には2002年から2013年に書いた作品が収められている。近作とは言え、改めて聴いてみると10年前後も経つものは、少々遠く感じる部分もあったりする。そう言えば、私の作品については最近「ゴリゴリ」とか「ガリガリ」とか「苛烈」とか(時には「ド◯ス」とか?)という言葉で表現してくださることもしばしば。このCDについては、ある雑誌のレビューでは「パンクロック」のようだとも・・・(ウケる)。ま、何と言われようといいんだけど・・・楽しんでもらえたら・・・。」
◎山内雅弘オーケストラ作品集
9月7日に、ALMから日本現代音楽協会理事の山内雅弘さんのオーケストラ作品集CDがリリースされました。収録曲は以下の4曲です。
- 風の糸 ヴァイオリンとオーケストラのための(1998) 十束尚宏(指揮) 松原勝也(ヴァイオリン) 東京交響楽団
- 宙の形象 ピアノとオーケストラのための(2010) 十束尚宏(指揮) 石橋史生(ピアノ) 前田勝則(オーケストラピアノ) 東京交響楽団
- 管弦楽のための協奏曲(2012) 大井剛史(指揮) 東京交響楽団
- 宙(そら)の記憶(2013) 大井剛史(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団
モーストリークラシック11月号誌上で音楽評論家の長木誠司氏の紹介文が掲載されました。
「山内雅弘という作曲家を知るには打ってつけの作品集。オーケストラ技法が確実で、それを下地に真摯に飽くなき表現への道が求められている。特殊奏法では無いが、オーケストラからは実に様々な響きを引き出して、それらをけっして効果に留めずに、表現にまで高めていく。過激ではないが真剣かつ着実。それも、近年に近づくに従って持ち駒が多く、音楽が豊かになる。」
このCDについて山内雅弘さんからコメントを頂きました。
「私のオーケストラ曲の中から気に入っている4曲を集めてCDにしました。古い作品は今となっては意に満たない作品が多いため、最近作が中心となっています。この4作を聴いて頂くと作風の変化が分かると思いますが、年を取るごとに逆に若くありたいという気持ちが強くなっているような気がします。」